「大変」なときは、「大きく変われるとき」
中学校3年生のとき、塾の先生から言われた言葉を折に触れて思い出している。
受験に向けて本格的な勉強が始まった夏休み、僕は、数学の質問ついでに、雑談程度の感じで、「いやぁ、もうやることいっぱいで大変すっよ」とある先生と話しかけた。
すると、先生は、「〇〇君、大変なときってのは、大きく変われるときなんだよ。」と優しく答えてくれた。
「大変」というマイナスイメージの言葉を、「大きく変われる」というプラスのイメージに変えてくれた先生のこの言葉が、ずっと胸に残っている。
その先生とは、特別仲が良かったわけでもなく、用事があれば話す程度で、無事に志望校に受かった後は、先生が大学を卒業してしまったこともあり、再会することはなかった。
しかし、先生が言ったあの言葉を、自分がいっぱいいっぱいになったときに何故かよく思い出しては、勇気をもらっている。
高校のバスケ部で、自分1人だけ練習試合に出られなかったとき
高校受験の何倍もやることがあり、諦めかけた大学受験のとき、
周りが早々に内定をもらう中、志望した企業にことごとく「お祈り」された就活のとき
僕は先生の言葉を思い出し、「大変だけど、これは変われるチャンスだ」と思って乗り越えてきた。
そして、今日、あの夏の日から16年経った2019年9月2日、僕にはまた先生の言葉の力を借りるときが来たようだ。
1年に1回ある、昇格のチャンスを逃してしまったのだ。しかも、去年に続いてである。
上司からは、「昇格候補者にはなっているけど、どうなるか分からない」と言われていたため、あまり期待はしていなかったが、いざ現実を突きつけられると、悔しい。悔しすぎる。この1年間、昇格を目標に仕事に取り組んできたからだ。
僕は2年前に今の会社に転職してきたのだが、僕と同じポジションで1年以内に入社してきた何人かの同僚は、今回昇格していた。正直、基準が良くわからない。上の好き嫌いのような気もしている。
でも、ここで腐って、やる気をなくすのは簡単である。一方で、現状を受け入れ、真摯に自分と向き合い、明日から何事もなかったかのように働くのは、なかなかできることではない。大変だ。
そう。大変だからこそやる必要があるのだと思う。昇格できなかった自分から大きく変わるために。きれいごとかもしれないし、実際は引きずってしまうこともあるかもしれないが、前を向いて、顔を上げていこうと思う。
来年の今日、このnoteを見返して、「この1年は大変だったな」と笑って過ごせたら何よりだ。万が一、またダメだったとしても、また大きく変われば良いのかもしれない。人生は長いのだから。
最後に、先生、いま何処で何しているか分からないけど、数学よりも大切なものを教えてくれてありがとうございました。あなたの言葉のおかげで、また頑張れそうです。