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気づいてしまったのです…。 その2
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みなさま、こんにちは。
創作系寺嫁のゆかでございます。
先日、日常に紛れた仏教語として「縁」とくに「縁結び」について書かせていただきました。
日常のありふれた一コマで気付いた「あれ、これって……?」な日本語は面白いですね。
そしてまた、わたしは突然に気付いてしまったのです……!
よくある和風の食卓を思い浮かべてみてください。
朝ごはんにしましょう。
伝統的な純和食です。ほかほかに炊けた白米に、お出汁が香るお味噌汁。
焼き魚が主菜で、副菜にはほうれん草の胡麻和えなんていかがでしょうか。
作り手に余裕があるときには、生姜がちょこんと乗った冷ややっこなども箸休めに置かれている、そんな食卓です。
暑い日が続きますから、水分も必要ですね。冷たい麦茶も良いですが、暑気払いにと温かい緑茶を一杯いただきましょう。
さあ、この食卓に現れた、「気づき」。お気づきになりましたでしょうか?
そう、ご飯を入れる「茶碗」と、お茶を淹れる「湯呑」です!
「茶碗」については、前にちらっと調べたことがあります。
伝承の域を出ませんが、中国から「茶」の文化が入り、日本で「茶道」が盛んになりました。
「茶」が入って来たのと同時に、当然ですが「茶器」も入ってきました。
数々の茶器などが、戦国大名の心を掴んだといいます。千利休が活躍したのも、その時代ですね。
茶をたてるための道具を「茶器」と言いますが、最も大事な道具に「茶碗」があります。
これがたいへん高級なもので、多く贈答品として使われました。
実は、現在ご飯を入れて食べている「茶碗」はこれが元だというのです。
高級な容器に主食を入れて食べる、という贅沢をしてみたい人がいたのでしょう。
子どもが、ジュースをワイングラスに入れて飲みたがるような、そんな特別な感じがしたのでしょうね。
そしてそれが流行り始め、時代が下るにつれ、「ご飯は茶碗によそうもの」という習慣が根付いていった、ということだそうです。
それでは、正しく「お茶」の方を入れられるようになった「湯呑」はいかがでしょう?
名前からすると、「お湯を飲むための器」ですね。
そういえば、「湯呑茶碗」ともいいます。どうやらこれが正式名称のようです。
こうなれば、「お湯を飲む茶碗」となります。
ふむ。どうやら「湯呑」も茶碗、つまりは茶器の一種のようです。
ここで手詰まり!と思い、自力を諦めて他人に頼ることに。
茶道に詳しい義父に聞いてみると、伝統的な方の懐石
(茶道としてお茶を楽しみつつ、軽食をいただく懐石のこと。豪華な晩餐である懐石料理とは別のもの)
の最初に、釜のお湯をいただくことがあったそうで、そのときに使われる「湯呑茶碗」から派生したのではないか、とのことでした。
つまり、「茶碗」だなんて名前をしていますが、意味合いとしては「飲食物を入れる器」としての意味しか残らなかったパターンの言葉なのでしょう。
使っているうちに意味が変化することはよくあることですが、
こんな日常に隠れているとは思いませんでした。
そういえば、電話も「ダイヤルして~」という割には、早い段階で「ダイヤル」そのものがなくなっていますものね。
今生きている日本人の中、一体何人が実際におもちゃでない本物の「ダイヤル」を回したことがあるのかな、と思ってしまいます。
ちなみに、私は、学生時代のバイト先がまだ「黒電話」だったのでダイヤルを回したことがありますが、
バイトの後輩が「使い方が分からない…」と震えていたことがありました。
私の小さなころには、ダイヤル式のプラスチックの電話機のおもちゃがあったと思うのですが、今はどうなのでしょうね?
しまいには、スマホの電話マークである「受話器」ですら、「なにこれ?」と思う世代が出てくるのかと思うと、時代の流れが速いなあと思ってしまいますね。