子どもの幸せのために、教員の心身ともの健康を。そして笑顔を。
本記事でお伝えしたいことはタイトルに表現したことがすべてです。
そして、本記事で(簡単に)ご紹介するのは、財政制度分科会(令和5年4月28日開催)資料一覧に掲載された「人口・地域(PDF)」についてであり、とりわけ地域でこれまでの「普通の生活」を続けるためには、「教員に負担を負わせない取組を進め、教員を保護する環境を作るべき」(※資料の表現そのまま)ということを、個人および個人の総体からなる社会が強く認識すべき、という意見を、まずは冒頭で申し上げます。
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過酷な学校現場のニュースが報道される機会が多くなってきた(ように感じる)中、わざわざ書くことでもない、当たり前だ、と思わる方も多いかと思います。
一方で、なぜここまで書くか、という理由も私にははっきりあります。
それは、当たり前と思われる方が思っているほど当たり前ではない、と強く思うからです。
話題になった #教師のバトン 界隈のSNSでの表現を、これまでずっと見続けてきました。
見続けるとわかります。「教員だけが過酷ではない(どんな職場も同じだ)」「教員の前に子供が大事でしょ」「教員が楽するなんておかしい」・・・などの意見を表現する方が、どれだけ多いか、ということを。
そして、これまで、色々対話させていただいた多くの教員の皆さんから、「負担軽減のための施策を講じようとしても保護者から反対が出る。」という声も、たくさん、たくさん、聞いています。
「子どもの幸せのために、教員の心身ともの健康を。そして笑顔を。」ということについて、とても残念なことながら、日本社会では合意からほど遠い状態にある、というのが、私の認識です。
そして、今の社会における普通が、普通であり続けるために、この社会的合意に至ることが最も大事なことの1つだと強く思います。
それを財務省資料というレベル感で提示されたのが、今回noteで記事を書くキッカケです。
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以下、財政制度分科会(令和5年4月28日開催)資料一覧に掲載された「人口・地域(PDF)」の項目のみ抜き出してまとめたものです。
〇前段
〇少子化総論
結論として「⼥性のキャリアと家庭の両⽴性が出⽣率向上の要因であり、①⽗親の参画、②⺟親の就労に関する社会意識、 ③柔軟な労働市場、④⼦育て⽀援政策が重要との指摘がある。それぞれについて、以下のような取り組みを進めるこ とが必要。」と示されています。
〇1 東京⼀極集中・税源偏在と地⽅財政に関する課題
結論として「各地域の実情に応じたきめ細やかな⾏政サービスを地⽅団体が安定的に提供していくための基盤として、偏在性が⼩さ い地⽅税体系の構築が重要。」と示されています。
〇2 ⼈⼝減少下における持続可能な社会資本整備のあり⽅
結論として「既存のインフラの最⼤限の活⽤や、(1)港湾における⾃動化・遠隔化技術、(2)災害予測 精度の向上も含めたハード・ソフト⼀体の治⽔対策、(3)物流サービスにおける省⼈化技術など、 次世代技術の実装を加速するべき。」と示されています。
〇3 ⼈⼝減少下における農村等のあり⽅
結論として「農村において、営農が必要な農地については、効率化等を図りつつ、引き続き草刈り・泥上げ・⽔ 路補修といった農地の維持管理活動等を⽀援。他⽅、営農の継続が難しいと考えられる農地につい ては、粗放的利⽤により低コストでの管理を⽀援する施策の活⽤等を促す。」と示されています。
〇4 少⼦化が進展する中での教育の質の向上
結論として「教員の働き⽅改⾰が重要であり、例えば、教員が担う必要の無い業務については、⽂部科学省・ 教育委員会が強制的にでも教員の業務としない整理とするなど踏み込んだ業務の適正化を⾏うべき。教員に過度な負担を負わせない取組を導⼊・展開することにより、教員を保護する環境を作っていくべき。」と示されています。
より多くのことを知りたい方は、本noteで駄文をご覧いただくよりも、財政制度分科会(令和5年4月28日開催)資料一覧に掲載された「人口・地域(PDF)」をご覧いただいた方がよほど正確でわかりやすいと思いますので、ぜひ資料をご覧ください。
最後に。
これまで「教育の質の向上」という表現から、社会一人ひとりの意見を受けたうえの総体で政策に落とし込まれるとき、”「教員という個」の資質・能力を向上”という方向に流れやすかった印象を受けています。
もしそうだったとしたならば、この流れでの本方向は断じて反対という意見です。
「教員という個」に責任を持たせるような社会的合意が過剰に作られるのは止めたい。止めさせたい。
「個」というミクロではなく、「社会」というマクロで、「子どもの幸せのために、教員の心身ともの健康を。そして笑顔を。」を最優先におくことが先。
その結果として、「教育の質の向上」を、社会全体のマクロで創っていく。
それが私の意見です。