なぜ加賀市教育委員会の校務DXは進んだか?
2024年12月26日に文部科学省から公表された「「GIGAスクール構想の下での校務DXチェックリスト(学校設置者向け)」 ⾃治体別達成状況」において、現在政策官として勤務している加賀市教育委員会の校務DXの状況を点数化したものが、石川県内トップの点数でした。
■文科省から公表されたデータ
https://www.mext.go.jp/content/20241225-mxt_jogai01-000033278_03.pdf
下記に様々なデータがあります。
データをExcel化し全国で順位付けしたところ、全国でも8位と言う高い点数でした。
一方、本点数だけで全国比較するのはあまり意味がありません。
あくまでも自己点検したアンケート結果に基づく点数ですので。
従って、2023年→2024年と改善されている(と自身で判断している)かどうか、が一番の着目点と言えるでしょう。
そうして見たとき、加賀市教育委員会の点数は、320点→520点と200点上昇していました。
こちらについて全国で見ると、200点以上の上昇は約40自治体でしたので、加賀市教育委員会自身の判断として、校務DXが極めて進んだ、としている、と言っていいと思います。
私自身は、加賀市教育委員会(およびその管轄の小中学校)の校務DXに一意専心で臨んだ2024年でした。
本アンケートについては教育委員会の現場担当者が答えたもので、私はいつアンケートがあったかも知り得ませんので(笑)、純粋に現場担当者の体感値が数値化されたもの、と言えます。
だからこそ、校務DXの担当者として、とても嬉しく思った結果でした。
なぜこのような結果が生まれたか?
アンケートの回答項目を細かく見て、2024年に私が推進してきたことと照らし合わせると、その理由は明らかでした。
それは、「様々な情報流通のクラウド化を進め、それが行動レベルに落とし込めた」ということです。
端緒は、教育委員会→学校への伝達として、ファイル添付から本文にクラウドのURLを貼り付けフォルダ・ファイルを閲覧する形式に変えたことです。
このことにより、恐らくは教育委員会の担当者は、伝達した情報の整理がしやすくなったと思います。情報の受け手も、添付ファイルをダウンロードするよりずっと手間がかからなくなったと思います。
ここで「あっ、クラウドって楽なんだ」という意識が芽生え、「リンク先URLを教えるという情報流通の在り方」という知識を身に着けたんだと思います。
この第一歩さえ感じ取れれば、あとはどんどん、自ら情報流通にクラウドを使うという行動につながっていった、そんな気がしています。
企業からすると普通のことでも、学校関係者はまだまだ進んでいないICTやクラウドの利活用があります。
一方で、「こうやると負担感を感じない!」という意識を芽生えさせる知識を丁寧に理解してもらえば、教育関係者はどんどん行動していきます(これはほんとに凄い!)。
意識・知識・行動。この3点を連続させる”ちょっとしたこと”が、DXに限らず、様々なものの改革につながっていく、そんな気がします。