アート独り言。(生まれ変わる)
10月に開催された「コネクト展」の会場の上宮寺。
私達アーティストの為にお寺の境内を開放してくださる住職は画家でもある。
画家の登竜門でもあり、芥川賞に相当すると言われている安井賞受賞をしている著名な画家。
毎回、辛口コメントはあるものの、自由にやらせていただいている。
私みたいなちっぽけな映像作家に対して、いつも賞賛の言葉をくださる。
本当にありがたい。
会期終了後、銀杏ボーイだけでも展示を継続してはどうかと提案もしてくださった。
そして毎週のようにカメラマンや一般の方が訪れた。
「コネクト展」を開催したアートフォーラムは、地域に密着した文化活動を主な目的としている。昔の寺小屋のように、もっと自由に来て欲しいという思いが込められている。
沢山の方に来ていただけた事は本当に嬉しい事だ。
銀杏ボーイが展示されたのは戦火にも耐え生き残った樹齢500年以上の銀杏。すぐ近くにある伊奈波神社近辺はほとんどが焼失したにも関わらず、奇跡的に助かった銀杏だ。
銀杏ボーイを支えるワイヤーが銀杏の枝に食い込んでいるのが見つかり、展示の継続が難しくなってしまった。その為、急遽解体される事になった。
私は物が壊れるのを見るのがとても苦手だ。
自身の映像作品で、「板を割る」という撮影が出来ず悩んだ挙げ句、水を使って再現した。
↑とか言いながらカメラ壊してもいいから思い切りと何十テイクも要求
愛知トリエンナーレでも遊園地が破壊される映像を見て恐ろしくて泣いてしまったぐらいだ。(いい歳して)
それでも、記録を残しておきたいと思い、カメラの準備をする。
土曜日に、彫刻家の先生が木に負担を掛けていた部分だけ取り外してくれた。日曜日に、また別の人に解体を委ねる、自分では壊せないと一旦作業は終了。
そして日曜日。久しぶりの休みだ。
年末の大イベント参加の疲労がMAXな上に来年の展覧会用映像の〆切、仕事もピーク収まらずだった。
早朝、お弁当を作って少しだけ横になるつもりが深い眠りに落ちて気付いたら夕方だった・・・
解体するとハッキリ聞いてはなかったけど、慌てて駆け付ける。
するとそこには生まれ変わった銀杏ボーイの姿が。
↑ワイヤー部分は溶接されている。
そうか、壊れるんじゃなくて生まれ変わるんだ・・・
発想が素敵すぎる。。。
何度もカタチを変えて永遠に残っていく。
次の世代が
「これ、何の破片だろ?」
なんて言ったりする姿を想像したら楽しくて仕方なかった。
さて。つぎは何のカタチになるのかな?