アート独り言。(国際芸術祭 あいち2022@愛知芸術文化センター その1)
3連休最終日。初日にはあいち2022常滑会場を訪れたが、今日行った芸文の方を先に書いてみる。
台風が直撃してしまった日本列島。暴風の中、外出することに怯えつつも、中村 蓉さんの「ジゼル」というダンス公演のチケットを取っていたので向かうことに。風が少し強かったが、行きも帰りも傘を使うことはなかった。
良い作品が多いので、印象的だった作品を書くつもりだが、タイトルにその1と付けているのでおそらく続きを書くのだろう。
展覧会の象徴的のような作品。河原 温さんの電報を用いたシリーズ「I Am Still Alive」という作品。電報という緊急ツールを使って「私はいまだ生きている」と送り続ける姿に狂気すら感じる。
私は以前、一人の空手家の映像作品を制作した。タイトルは「turn E~STILL ALIVE」turn Eは、「ヨ」存在記号。家庭の事情で、学校の先生をあきらめて空手の指導者となる。家族がいない天涯孤独の自分には生きた証が残せるのだろうか?そんな彼の言葉に引っ掛かり、それならば映像でその生きざまを残そうと制作した。存在を証明し、自分はまだ生きているのだと。
私の作品とは比べ物にならないぐらい、気が遠くなる作品だった。心がぎゅっとなる。
壁に貼られたツイッターの呟きは福島出身の和合 亮一さんという詩人。私には3つの絶望の呟きに見えた。2011福島の原発、2020コロナウイルス、2022戦争、コロナ。詩でありながら、その生々しさに全部読むのは少ししんどかった。
Art Award IN THE CUBE 2017大賞を受賞されたミルク倉庫+ココナッツさんの作品。
ミルココさんの作品はとても楽しみにしていたが台風の影響で屋外には出られず。次回リベンジ。
幻肢痛をめぐる映像作品、カデール・アティア「記憶を映して」はとても興味深い内容だった。約45分の映像だったが、長さを感じなかった。病気やケガなどで切断されてすでにない手足が痛む。インタビュー形式の映像だった。自分の姿形が変わったら、人生が変わってしまうのだろうか?それは不幸なことなのだろうか?色々考えさせられる内容だった。
時間ギリギリまで展示を堪能し、慌てて小劇場へ向かう。
中村 蓉さんの「ジゼル」をみた。
ジゼルはなんとなくバレエのイメージだったが、中村さんがダンスを通じて思いきり表現する。この作品の為に心血注いだのではないだろうか、凄まじい執着心を感じた。
映像作家が協力していることもあり、映像が使われるであろう、一体どんな風に使われるか楽しみだった。
以前ダンス作品に映像が使われている公演を見たことがあるが、やはりダンスに集中したくてあまり映像が見れなかった。
私がもし演出するなら、あまり映像が目立たないものを作らなくてはとずっと思っていた。
今回の作品は、良い塩梅で映像が使われている。
途中、とても緊張感の走る映像の使われ方がしており、ダンサーと映像作家の信頼関係というか、ぴったりな呼吸がとても気持ち良かった。
途中コメディもあり、会場のお客さんがゲラゲラ笑っていてとても楽しかった。ジゼルらしい、布を死装束に見立てたシーンもあった。
ああ、本当にこのジゼルがやりたかったのだろうな。最後の雄叫びにグッと心を掴まれる。
台風がいよいよ接近して外は危険な状態かもしれない。それでも会場の拍手はやまなかった。ブラボーと心の中で叫んだ。
ああ、長い。長すぎる。
続く。
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