Small Talk ④
毎朝、45分~1時間ほど犬の散歩に行く。
そこで出会う人たちと、立ち止まっておしゃべりをすることがある
ーということは、以前も書いた。
その散歩道の途中にある橋、公園の辺りに毎年晩秋から早春にかけて渡り鳥-ユリカモメーが飛来する。
毎年、飛来シーズンが始まると公園に来て、エサやりをしながら鳥の姿を眺める高齢の女性がいる。
公園や橋の上の糞害の問題や生態系のことを考えても、エサやりは、あまりうれしくない行動だなぁ・・・と思いながら毎年そのシーズンになると、別の橋を使うようにし、なるべく避けて通るようにしているのだけれど、コロナ禍が始まってすぐぐらいの頃に、おばさんのエサのやる場所が変わり、また公園の糞を掃除してから帰られていることに気が付いた。
不思議だなぁ~と思っていたら、私の1番の散歩仲間であるおじさんがある日、世間話の途中で
ーコロナだけではなく、鳥インフルエンザなんかも問題になっている昨今、こんなに公園や橋に糞をまき散らすようなエサのやり方は、おかしい!掃除ぐらいしていけ!と怒鳴ってやったんだよ、この間。そしたら、あんなところでエサをやるようになり、帰りに掃除してくんさ。そこまでされると、それ以上何も言えんくなるんさな。
と、教えてくれた。
おかしいと思うことを影で文句をいうだけではなく、きちんと相手に伝え、相手がその意見にきちんと聞く耳を持っていることが分かれば、自分の意見が100%通らなくても、その努力を認め、自分もちょっと我慢して見守る、そんな姿勢のおじさまも、
批判であっても、言われたことを受け止め、できることを考えるおばさまの態度も、
私は、素敵だなと思った。
その後、年々、増えているように見えるエサやり仲間の集団に、ちょっと不安を感じるけれど
毎年、「あぁ、またこの季節か」とため息をつき、できるだけ避けて通る方法を考えながら、おじさんの話を思い出し、きっと自然と生き物が好きな人たちは、「折り合い」と「調和」を考えてくれるはずだと自分に言い聞かすことにしている。