森絵都『クラスメイト』
先日、読了。市立図書館のお薦めリストで見つけて、何となく気になったから借りてみた本。
分類がティーンズ向けなのがちょっと気恥ずかしかったのだけど、読み始めたらすぐにハマって後編も借りた。
森絵都さんの作品は文章が読みやすくて、『クラスメイト』は3日で前編読み終えた。その点でも確かに、ティーンズ向けか。
さて、舞台は中学校、入学したばかりの新1年生たちの人間模様や心境が描かれている。
最近は、仕事で小中学生頃の子どもたちと向き合う機会が多くて、「ちょっとヒントになるかなあ」借りたところ、いわゆる思春期の始まりに起きる、ぐちゃぐちゃーっとしたもの(恋、秘密、プライド、嫉妬、自己意識とか…)が、良い意味でさっぱりとコミカルに表現されていたので新鮮だった。
それから、自分の記憶がひょこっと出てきたりもした。当時、上手く消化できないまま、ぐしゃくしゃポイっと何処かへ放っていたエピソードが今になって見つかって、最初はドキッとしたものの
…森絵都さんが描く『クラスメイト』の子どもたちと一緒に中1の1年間を過ごしながら、くしゃくしゃになったエピソード日記の皺をゆっくり伸ばしてみることができたから不思議。
「あーこういうことだったのかもね」と俯瞰して、受け入れたとき、ふっと笑みが溢れたりもした。
この作品、「ティーンズ向け」もとい「ティーンズになる人からティーンズだった人向け」と言いたい。