島食の留学弁当(2022/9/27)
生徒たちでお品書きを考える、島食の留学弁当企画。
今回は初めて高校生も食べてくれるということで、
お弁当のテーマは和食を知らない世代に受け入れられる和食。
高校生の他にも、沢山の方が食べてくださる予定で合計99個のお弁当作り。
仕込みの作業に追われているなか、今回のお弁当のことについてお品書き担当の3名の生徒に聞いてみました。
あなたにとって「和食」とは何ですか?
これが「和食!」と思った体験があれば教えて下さい。
佐伯さん:
私は島食の寺子屋に見学に来た時に、生徒さんが作ってくれたお弁当を食べた時に「和食」というものを感じました。お野菜を外で干した後にきんぴらにしたり、その時に獲れた魚で棒寿司を作ってくれたんですけど、あと大根餅とかすごく美味しくって。
その時に、純和食のお弁当ってこれまで食べたことなかったんだなって、その時に気付いて。その時にこの学校に絶対に行こうと思ったので。なので、その時が和食を初めて感じた時です。
嶋村さん:
和食を感じた経験は2つあって。
1つ目が4月頃に初めて先生の引いた出汁を飲んだ時。和食ってこういうことかって思いました。寺子屋に入ってから自分で初めてひいてみた出汁はめちゃめちゃ不味くて、ちゃんと本物の味っていうのを自分の舌で味わえたというのが1つ目。
2つ目も出汁なんですけど、両親が夏に島に来てくれた時に、島の民宿の但馬屋さんに泊ったんですけど、そこで頂いた焼き飛魚の出汁が本当に美味しくてビックリしました。それだけ写真を撮るのを忘れて飲んじゃったくらいに。
武井さん:
これが「和食」って思った経験はないです。家で洋食のものがよく出てくるような家庭でもなかったけど、スパゲッティが出てきたり、味噌汁を飲んだりしていても、これが洋食これが和食とかは、考えずに普通の日常的に食べるものとしか考えてなかったです。
和食の中でも、自分たちで出す島食の留学弁当の良さは何でしょうか?
嶋村さん:
食材がまな板のうえに乗るまでの、大体の流れがわかっていることかな。誰がこの食材を作っていてとか、誰がとってきたのかとかを知っているもの。昨日もシェアメイトたちが夜遅くに延縄漁に乗船して、とってきてくれたお魚だし、野菜もものによっては自分たちで育てたものを一部使っています。
佐伯さん:
今回のお弁当は、食材が限られている時期で、欲しいものがないっていう条件の下で、彩りを考えたりとか。和食ならでは四季があるということで、秋のものというテーマをもって臨んで、それなりに形にできたんじゃないかなって思います。「和食ってなに?」ということを、めちゃくちゃ考えました。
武井さん:
メニューを決めずに食材を調達しにいったんですよ。意図せずにでしたけど。どの食材を仕入れるか、その場で判断して決めていく。でも、それがすごい良い経験だったし、自分たち生徒だけで考えて自分たちらしさを出せるというところが良いと思います。
今回の留学弁当は高校生も食べます。心がけたことはありますか?
嶋村さん:
炊き合わせとか、出汁巻き卵とかの、「THE 和食」も入っているんですけど。一方で、「ブロッコリーと魚のオイル煮の梅和え」みたいに、家庭でよく使われる食材をあわせつつ、親しみやすさをもってもらうアプローチもやってみました。
佐伯さん:
あとは味をはっきり濃い目にしています。どうやったら、ご飯が進むようにお弁当ができるのかなって。和食ってやっぱり、お出汁とか薄めの味が多いので、そこを敢えて味を強めにして、馴染みやすい感じにしています。
武井さん:
目を引くと思うのがちらし寿司で、ちらし寿司ってみんな知ってると思うんですよ。でも、「真薯」とかは食べることもないと思うので、高校生のみなさんに「真薯」ってどんなものなのか味わってみてほしいです。知らない人もいるんじゃないかなって。
佐伯さん:
今回は炊き合わせをあまりいじらずに、授業で習った通りの王道の炊き合わせにして、お出汁をけっこう大切にしています。
今回は大台の100食に僅か届かずの99食。
100食程度を仕込んでみての感想は?
(これまで30食~50食程度)
佐伯さん:
まずは仕込みの量的な大変さと、食材の確保が難しいのかなと思いました。
今までの食数(30~50食程度)だと、手元にある食材とか、ちょっとお願いしたら足りていたものが、「この魚あと20人前足りないとか」なった時に新たに仕入れないといけなくて。でも、新たに仕入れるといっても、その魚が漁で手に入るかも分からない状態だったりして。やっぱり自然の中で日々変化する状況が、ここにきて大変だったなって改めて感じました。
武井さん:
今までの食数だったら出来ていたんだろうなってことが、100食近くになると難しいことがあったり。例えば切り方を時間をかけて飾り切りにしたりとか、本当はしたかったけど自分の技術的スピードの部分で不安があって、今回は諦めた部分があったことは反省点です。
20食と100食を作るときに、それに合わせて自分たちの知識があったり技術があったりしたらできたのかもしれないですし。100食を作る為の知識や技術をつけたいなと思いました。
最後に食べ手の皆さんに一言!
佐伯さん:
どれが親しみやすかったとか、どれが新しいものに感じたとかあれば、アンケートに書いて教えて頂きたいです。私たちの考える「和食」と、高校生にとっての和食のイメージが異なるかもしれないので。
武井さん:
わざわざ興味をもって食べてくださることが嬉しいです。まさか、買ってくれる子がいるとは思っていなかったので。なので、とにかく美味しく食べて頂けたら嬉しいです。
嶋村さん:
今回のお弁当をきっかけに、最近の高校生はなにが好きなのかなって考える期間になったんですけど。その中で、今までのアンケートも参考にして甘味を入れてみました。
お砂糖を使わずに、島のお米と麹と湧き水と豆乳を使って仕込んでみたので、それがどのように受け止められるのか気になるので教えて下さい!
よろしくお願いします!!
(2022/9/25 収録@島食の寺子屋校舎 放課後)
【お品書き】
【右上】
赤羽の柚庵焼き
薩摩芋の塩キンピラ ピーマン
出汁巻玉子
茄子田楽
じゃがいも田楽 青蜜柑味噌
【左上】
揚げ真丈 つるむらさき あらめ
ブロッコリーとさごしオイル煮の梅和え
シマメと昆布大根巻き 人参 三つ葉
揚げかぼちゃの銀あんかけ 枝豆 隠元
甘酒豆乳パンナコッタ 薩摩芋
【右下】
炊き合わせ
玉葱 茄子 厚揚げ つるむらさき オクラ 人参
【左下】
ちらし寿司
椎茸 隠岐牛すじ オクラ バターナッツカボチャ 大根 人参 大葉