生きる意味って何ですか?
子どものころから「生きる意味」が知りたいと思っていました。
だってやっとのことで人間に生まれてきたのだから。
世界のいろんなことに目的があるのに、肝心の自分が生きることの目的や意味を考えないのは変なことじゃないかしら。
机やボールペンやノートなんかは、目的があって生まれてきたのに、
人間だけが目的を知らされないで生まれてきた。
ちょうど生まれた瞬間に海の中に放り出されたみたいに。。。
「生きる意味を知らなくても、考えなくても生きていけるよ」とか
「楽しいことをしていけばいいじゃん」とか言う友だちは多いけど
私が自殺を考えたときには、それらの言葉はなんの気休めにもならなかった。
苦しいときやつらいときに人が心の中で求めているのは、本当の生きる意味だということがそのときによく分かった。
私がお釈迦様の思想――つまり仏教――に出会ったのは学生時代でした。
当時は文学部だったから、とりあえず単位の埋め合わせのために取った仏教の授業で、はじめてお釈迦様のお言葉や思想に出合ったわけです。
それまで仏教というと、葬式のときの儀式だと思っていた。
でも仏教の開祖であるお釈迦様は、死んだ人のための儀式をされたことや、死んだ人に教えを説かれたことは一度もなかった。
お釈迦様はつねに生きている人たちに教えを説かれていたし、そのご説法の記録が7000冊以上のお経として残っています。
そしてその内容はすべて始めから終わりまで「生きる意味は何か?」という問いかけと答えだったのです。