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役割を振るメリットとは

 前回記事の中で、現代のリーダーが持つべき能力として「役割分担能力」を挙げた
とは言え、ただ役職っぽいものを与えればそれで良いというわけではないのが難しい。
役割を振りたいなら、相手の「振る舞い」「権利」「義務」を考えることだ。
それらをはっきりとさせずに、役割分担を済ませたというのは、無理があると思う。
 以降で、この振る舞いと権利と義務について、解説していこうと思うのだが、その前に今回は役割を振るメリットということで話をしていきたい。

<役割分担=戦略>

 そもそも、組織の定義は「目的を達成するため、人々が意思をもって集い、戦略を構築したもの」だ(関連:組織を構成する3つの要素)。
役割分担はこの戦略の基盤となる部分。
つまり、メリット云々以前に役割分担をしていない集団が、はたして組織といえるのか疑問。
 稀に(というか国内の企業ではよくみられる光景ではあるが)、働く人のボランティア精神のようなものに支えられている組織がある。
一見して活気があり良好に見えるが、それは非常に不安定な状態だ。
まず、人に強く依存していることになるので、誰かが離れれば雪崩のように崩壊することがある。
そして、そのきっかけとなる「ある問題」が役割分担を曖昧にすることで発生しやすい。
その問題のキーワードが責任だ。

<責任の所在が明確になる>

 役割分担をすることで、その責任は誰にあるのかをはっきりすることができる。
このことは、組織内で不要なわだかまりが起きないようにするために非常に重要だ。
 また、役割分担を曖昧にすることで最終的にしりぬぐいをしなければならない者がいる。
役割を振った本人、つまりチームのリーダーだ。
なので、しっかりと役割分担をするということは、リーダー自身余計な仕事を増やさないということにつながる。
 ちなみに、このしりぬぐいを無視するリーダーがたまにいる。
そうなると、そのチームはほぼ壊滅状態だ。
もしそれでもうまく回っているとしたら、必ずその組織にはリーダー役を肩代わりしているボランティアさんがいる。
そして、重ねていうが、そんな組織は長く続かない。
リーダーが交代しない限り、絶対といっていい。

<存在意義を見出せる>

 最後に、役割分担のメリットということで、メンバーが自身の存在意義を見出せるということを挙げたい。
というより、自分がそのチームの役に立てていると思えるように役割分担ができていれば、それこそが理想的だ。
そうすれば人が安定し、息の長い活動を続けることができる。
 いなければ人を変えればいいという者もいるが、この人口減少真っ盛りな国内で安易な考えである。
働き手の立場に立ってみれば、むしろ働く場所なんていくらでも変えれるという時代だ。
そんな中で人がコロコロ変われば、残った人は人数が少ない上に労力を採用活動などに回さないといけないことになり、本来やりたいことが全くできないという状態になる。
耳の痛い人も結構いるんじゃないだろうか。

 しっかりと役割分担をし、働く者が自分の仕事をしっかりと理解したうえで、そこに意義も感じることができる。
そんな役割分担ができるようになりたいものだし、そんなリーダーの元で働きたいものだ。

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