見出し画像

自己発信力を高める英文法。第74回「仮定法①」(後半)

「みんなの英語道場8」から毎回5問出題します。各英文をSTEP1からSTEP3へと少しずつ難易度を上げながら学習します。最終的にはその英文を書ける・言えるようになるよう、よく理解し・音声を何度も聞き・繰り返し声に出しましょう。

😃 構文編の詳細一覧はこちら

本編に入る前に現在時制・過去時制・過去完了形の世界観から first conditional ・ second conditional ・ third conditional ・mixed conditional を確認しましょう。

現在時制とは
① John is a really nice guy.
「ジョンは本当にいいやつです」
② I ride my bike to school every day.
「私は毎日、自転車で通学しています」
③ I have a math test tomorrow.
「明日、数学のテストがあります」

全て述語動詞に現在形を用いています。では、現在形が表す現在とは何でしょう。これらの文を眺めていると「現在は今を表す」ではなさそうです。

現在とは何か。一般的な説明では、現在形は「①現在の状態」「②現在の習慣的行為」「③未来の確定的な予定」などを表すと説明します。しかし、これでは現在とは何なのか曖昧なままです。それでは①②③に共通している現在時制の特徴とはどのようなものでしょうか。

現在時制は時間を超越した「現実の世界、物事が確かに存在している世界(状態)」を表します。言い換えれば、現在とは「まだ終わっていない世界」です。③では現在形の have が「未来の予定が確かに存在している(終わっていない)」ことを表しています。

😃 first conditional
 I'll come if you want me to.
 「一緒に行って欲しいなら、行くよ」


first conditional は実現する可能性のある条件文です。この条件文では現在時制を用います。実現の可能性があるのは、現在時制が「現実の世界、物事が確かに存在している世界、まだ終わっていない世界(状態)」を表すからです。

・I'll come:
 will が現在形なので、行く意志が実際にあることを表します。
・if you want me to:
 want が現在形なので、私が一緒に行くことを実際に望むならという感覚です。

こういう捉え方をすると、I'll come や you want が未来を表すという感覚を捨て去ることができます。是非捨て去ってください、なぜなら英語の時制に未来時制は存在せず、あるのは現在時制と過去時制の2つだけですから。 


過去時制とは
④ John was a really nice guy.
「ジョンは本当にいいやつでした」
⑤ I rode my bike to school every day.
「私は毎日、自転車で通学していました」
⑥ I had a math test last week.
「先週、数学のテストがありました」

これらは上の①②③を過去の文にしたものです。では、過去とは何でしょう。過去は現在時制が表す世界(現実の世界)とは全く異なるもの、もはや存在しない世界を表します。したがって、過去とは「もう終わった世界」と言えます。過去時制は現在からあまりにも遠く離れた世界であるため、④はしばしばジョンが亡くなっていることを意味します。

過去とは、もはや存在しない世界のことです。この存在しない世界を時間的に捉えたものがいわゆる過去(物語の世界)であり、心理的に捉えたものが非現実(仮想の世界)なのです。

😜 second conditional
 I wouldn't go back if you paid me.
 「お金をもらっても、二度と行かないでしょうね」


second conditional は仮想的な条件文(仮の話)です。この条件文では過去時制を用います。仮想的(仮の話)であるのは、過去時制が現実の世界から遠く離れた世界(存在しない世界)を表すからです。

・if you paid me:
 過去形 (paid) を用いているので、あくまでも「仮の話」です。「私にお金をくれることはないでしょうが、仮にお金をくれたとしても」という感じです。

・I wouldn't go
「(だとしても)私は行かないでしょうね」という意味です。過去形の would は予想される結果を「…だろうな」とぼんやり想像している感じです。I won't go「私は行きません」は直接的すぎて使えません。


過去完了形とは
① I realized I had lost my passport.
「私はパスポートを失くしたことに気づきました」
② Before I knew it, I had finished the book.
「いつの間にか、私はその本を読み終わっていました」

上の2つは過去完了形(had+過去分詞)を用いています。では、過去完了とは何でしょう。

過去完了形(had+過去分詞)は過去からさらに遠ざかった世界を表します。
①の had lost  は realized の時点より前の出来事であることを表します。②の had finished は knew の時点より前の出来事であることを表します。

過去完了は過去から時間的に離れると大過去(過去のある時点より前の出来事)を表します。心理的に離れると、あの特定の状況における非現実を表します。そしてこの大過去と仮想の世界に共通して言えることは、これらが過去のある時点(あの特定の状況)で存在しないものを表すということです。

(注)仮定法には時間の観念がないので、ここでは「過去」を「あの特定の状況」と呼ぶことにします。

😢 third conditional
 I would have gone if I had known.
 「知っていたら、行っていたでしょうね」


third conditional はあの特定の状況に関する仮想的な条件文です。条件節では過去完了形を用います。過去完了形を用いることで、あの特定の状況からさらに距離を置いた世界(あの状況で存在しない仮想の世界)を表します。

・if I had known
 過去完了形 (had known) は「あの状況」に関して仮想していることを表します。「実際には知らなかったが、(あの状況で)もし仮に知っていたならば」という感じです。

・I would have gone
過去形の would は「…だろうな」とぼんやり想像している感じです。その後を完了形(have 過去分詞)にすると、既に終わったこととして「…しただろうな」と想像していることになります。


second conditional と third conditional の違い

① second conditional:
まだ終わってない状況に関して、
「…だったら、…するのに」と想像して述べる。
形は【 If S 動詞の過去形、S would 動詞の原形 】

② third conditional
既に終わったあの状況に関して、
「…だったら、…したのに」と想像して述べる。
形は【 If S 動詞の過去完了形、S would have 過去分詞 】


今度は second conditional, third conditional, mixed conditional をまとめて見ていきます。

😜 second conditional
① If I had more time, I would visit Kobe.
 「もっと時間があったら、神戸に行くのに」
😢 third conditional
② If I had had more time, I would have visited Kobe.
 「もっと時間があったら、神戸に行ったのに」
😢 mixed conditional
③ If I had more time, I would have visited Kobe.
 「もっと時間があったら、(既に)神戸に行っているのに」

①:まだ終わっていない状況に関する仮想の文です。話し手は、状況が変われば神戸に行けるかもしれないが、今の状況では無理だと考えています。
②:既に終わったあの状況に関する仮想の文です。話し手は、もう終わったことだと考えています。神戸に行けなかったあの状況(あの頃は仕事が忙しすぎたなどの状況)は今はないかもしれません。
③:条件節で過去形 (had) を用いているのは、(仕事が忙しすぎたなどの)あの状況がまだ終わっていない(今も続いている)という意識で仮想しているからです。ただし、帰結節は would have visited なのでもう終わったことだという意識です。

<補足>
母語話者は「既に終わったあの状況」に関する仮想の文②をフォーマルすぎると感じるため、口語では簡単な③を用いる傾向にあります。母語話者にとって②と③の意味の違いはあまりなく、ただ単に③を好んで用いているというのが実情のようです。次も mixed conditional の文です。これは旅行先のホテルが素晴らしかったというレビューの一部です。条件節は「既に終わった状況」に関する仮想であるのに、過去完了ではなく過去形 (had) が用いられています。

If I had more time, I would have stayed longer.
「もっと時間があったら、もっと長く滞在したでしょう」


仮定法に関する誤解と問題点:
① If it weren’t for you, I wouldn’t be here today.
「あなたがいなかったら、私は今ここにいなかったでしょう」
② If it wasn’t for you, I wouldn’t be here today.
「あなたがいなかったら、私は今ここにいなかったでしょう」
③ I wish I had a yacht.
「ヨットがあればなあ」
④ If I had more time time, I would have stayed longer
「もっと時間があったら、もっと長く滞在したでしょう」

1.「仮定法とは事実と異なることや、ありそうもないことを、もし…だったら…だろうにと仮想して述べること」という認識は誤っています。正しくは「仮定法とは、事実と異なる、ありそうもない、と感じて仮想して述べるときの動詞の使い方」です。ちなみに、前者は仮定的な条件文 (conditional) の定義です。仮定法の定義としては後者が正しいので、例文③では had が仮定法です(取り敢えず)。

2.「例文②③④の条件節の動詞は仮定法か?」 古英語の be動詞 は仮定法の場合、人称に関係なく I were, you were, he were, it were のように用いていました(綴りは今と少し異なる)。そして例文①のように、昔の仮定法の形を残しているものが正真正銘の仮定法です。ところがこの正真正銘の仮定法の were は②のように was に取って代わられつつあります。この化石のように僅かしか残っていない were のために仮定法という文法項目を設定することの違和感から、最近では「過去形にはそもそも現実から距離を置いた仮想の世界を表す働きがある」と説明します。(問の答え)仮定法ではなく、仮定的な直説法過去です。

3.「現在や未来のことに関して仮想する場合は条件節に過去形を用い、過去のことに関して仮想する場合には過去完了形を用いる」と考えてよいか? 例文④の条件節は明らかに過去に関する仮想なのに、過去完了形ではなくて過去形が用いられています。例文①②の条件節は物理的には過去のようで、心理的には現在にも感じられます。実際にはこのような文が多数存在するので、「現在や未来のことに関して仮想する場合は条件節に過去形を用い、過去のことに関して仮想する場合には過去完了形を用いる」と機械的に決められるものではありません。



仮定法①(後半C006~C010)

STEP1では、ごく基本的なことを確認します。まずは自分なりに問題の答えを考えてください。答え合わせはリスニングによって行います。音声の下の解答・解説などはその後で見てください。

C006 そのことを知っていたら、買わなかったのに。
I wouldn't have bought it if I (          ) known that. (空所補充)





<解答>
そのことを知っていたら、買わなかったのに。
I wouldn't have bought it if I ( had ) known that.

<解説>
条件節:既に終わったあの状況に関する仮想なので、
過去完了形 (had known) を用いる。(仮定法過去完了)
帰結節:既に終わったあの状況に関する空想なので、
【助動詞の過去形+完了形】(wouldn't have bought) にする。

(内容)事実を知らずに商品を買ってしまったことを後悔している。



C007 もっと勉強していたら、成績はもっと良かったかも。
I could have done better if I (          ) studied more. (空所補充)





<解答>
もっと勉強していたら、成績はもっと良かったかも。
I could have done better if I ( had ) studied more.

<解説>
条件節:既に終わったあの状況に関する仮想なので、
過去完了形 (had studied) を用いる。(仮定法過去完了)
帰結節:既に終わったあの状況に関する空想なので、
【助動詞の過去形+完了形】(could have done) にする。

(内容)試験の結果が悪かったので、勉強不足を後悔したり言い訳をしている。

<語句>
can do better「よりうまくやれる」「成績が上がる」
study more「もっと勉強する」



C008 私はそれをもっとよく考えていたら、気が変わっていただろう。
If I had considered it more, I (          ) changed my mind. (空所補充)





<解答>
私はそれをもっとよく考えていたら、気が変わっていただろう。
If I had considered it more, I ( would've ) changed my mind.

<解説>
条件節:既に終わったあの状況に関する仮想なので、
過去完了形 (had considered) を用いる。(仮定法過去完了)
帰結節:既に終わったあの状況に関する空想なので、
【助動詞の過去形+完了形】(would have changed) にする。

(内容)深く考えずに判断して幾らか後悔する一方で、自分が選択したことだから仕方がないと思っている。

<語句>
would've = would have
consider ~「~を考慮する」(他動詞)
change one's mind「気が変わる」



C009 もしも音楽がなかったら、私は気が変になるでしょう。
If it ( isn't / weren't / hadn't ) for music, I would go crazy. (選択)





<解答>
もしも音楽がなかったら、私は気が変になるでしょう。
If it ( weren't ) for music, I would go crazy.

<比較>
① if it were not for ~「~がなかったら」
まだ終わっていない状況に関する仮想の場合は、
過去形 (were) を用いる。(仮定法過去)

② if it had not been for ~「~がなかったら」
既に終わったあの状況に関する仮想の場合は、
過去完了形 (had been) を用いる。(仮定法過去完了)

<解説>
条件節:まだ終わっていない状況に関する仮想なので①を用いる。
帰結節:まだ終わっていない状況に関する想像なので、
【助動詞の過去形+動詞の原形】(would go) にする。

(内容)音楽が大好きなので、それがない生活は全く考えられないと思っている。

<語句>
go crazy「気が変になる」



C010 もし家族がいなかったら、私は成し遂げられなかったでしょう。
If it hadn't (          ) for my family, I wouldn't have made it. (空所補充)





<解答>
もし家族がいなかったら、私は成し遂げられなかったでしょう。
If it hadn't ( been ) for my family, I wouldn't have made it.

<比較>
① if it were not for ~「~がなかったら」
まだ終わっていない状況に関する仮想の場合は、
過去形 (were) を用いる。(仮定法過去)

② if it had not been for ~「~がなかったら」
既に終わったあの状況に関する仮想の場合は、
過去完了形 (had been) を用いる。(仮定法過去完了)

<解説>
条件節:既に終わったあの状況に関する仮想なので②を用いる。
帰結節:既に終わったあの状況に関する想像なので、
【助動詞の過去形+完了形】(wouldn't have made) にする。

<語句>
make it「成し遂げる、病気などから回復する」
問題文は「もし家族がいなかったら、私は病気から回復できなかったでしょう」という訳もあり得ます。

<補足>
「もし家族がいなかったら」は必ずしも C010 のとおりになるとは限りません。話し手が「家族がいる」という事実は現在も続いている(まだ終わっていない)と感じれば if it wasn't [weren't] for my family となります(wasn't が口語的)。例えば、ある選手が大会で優勝してインタービューを受けているとします。このとき彼は家族に対する感謝の気持ちでいっぱいです。この場合 If it hadn't been for my family …「あの状況で家族がいなかったら …」よりも If it wasn't for my family …「このように家族がいなかったら」の方が選択されやすいでしょう。それでも「あの状況」を回顧する気持ちで述べるなら If it hadn't been for my family … としても構いません。



STEP2の英文は上の5問と同じですが、ほんの少し難しくします。STEP1でもSTEP2でも、英文をよく理解して、リスニングと音読を十分に行うことが大切です。

C006 そのことを知っていたら、買わなかったのに。
I wouldn't have bought it if I (          ) (          ) that. (空所補充)





<解答>
そのことを知っていたら、買わなかったのに。
I wouldn't have bought it if I ( had ) ( known ) that.

<解説>
条件節:既に終わったあの状況に関する仮想なので、
過去完了形 (had known) を用いる。(仮定法過去完了)
帰結節:既に終わったあの状況に関する空想なので、
【助動詞の過去形+完了形】(wouldn't have bought) にする。

(内容)事実を知らずに商品を買ってしまったことを後悔している。



C007 もっと勉強していたら、成績はもっと良かったかも。
I could have done better if I (          ) (          ) more. (空所補充)





<解答>
もっと勉強していたら、成績はもっと良かったかも。
I could have done better if I ( had ) ( studied ) more.

<解説>
条件節:既に終わったあの状況に関する仮想なので、
過去完了形 (had studied) を用いる。(仮定法過去完了)
帰結節:既に終わったあの状況に関する空想なので、
【助動詞の過去形+完了形】(could have done) にする。

(内容)試験の結果が悪かったので、勉強不足を後悔したり言い訳をしている。

<語句>
can do better「よりうまくやれる」「成績が上がる」
study more「もっと勉強する」



C008 私はそれをもっとよく考えていたら、気が変わっていただろう。
If I had considered it more, I (          ) (          ) my mind. (空所補充)





<解答>
私はそれをもっとよく考えていたら、気が変わっていただろう。
If I had considered it more, I ( would've ) ( changed ) my mind.

<解説>
条件節:既に終わったあの状況に関する仮想なので、
過去完了形 (had considered) を用いる。(仮定法過去完了)
帰結節:既に終わったあの状況に関する空想なので、
【助動詞の過去形+完了形】(would have changed) にする。

(内容)深く考えずに判断して幾らか後悔する一方で、自分が選択したことだから仕方がないと思っている。

<語句>
would've = would have
consider ~「~を考慮する」(他動詞)
change one's mind「気が変わる」



C009 もしも音楽がなかったら、私は気が変になるでしょう。
If it ( weren't / hadn't ) (          ) music, I would go crazy. (選択・空所)





<解答>
もしも音楽がなかったら、私は気が変になるでしょう。
If it ( weren't ) ( for ) music, I would go crazy.

<比較>
① if it were not for ~「~がなかったら」
まだ終わっていない状況に関する仮想の場合は、
過去形 (were) を用いる。(仮定法過去)

② if it had not been for ~「~がなかったら」
既に終わったあの状況に関する仮想の場合は、
過去完了形 (had been) を用いる。(仮定法過去完了)

<解説>
条件節:まだ終わっていない状況に関する仮想なので①を用いる。
帰結節:まだ終わっていない状況に関する想像なので、
【助動詞の過去形+動詞の原形】(would go) にする。

(内容)音楽が大好きなので、それがない生活は全く考えられないと思っている。

<語句>
go crazy「気が変になる」



C010 もし家族がいなかったら、私は成し遂げられなかったでしょう。
If it (          ) been (          ) my family, I wouldn't have made it. (空所補充)





<解答>
もし家族がいなかったら、私は成し遂げられなかったでしょう。
If it ( hadn't ) been ( for ) my family, I wouldn't have made it.

<比較>
① if it were not for ~「~がなかったら」
まだ終わっていない状況に関する仮想の場合は、
過去形 (were) を用いる。(仮定法過去)

② if it had not been for ~「~がなかったら」
既に終わったあの状況に関する仮想の場合は、
過去完了形 (had been) を用いる。(仮定法過去完了)

<解説>
条件節:既に終わったあの状況に関する仮想なので②を用いる。
帰結節:既に終わったあの状況に関する想像なので、
【助動詞の過去形+完了形】(wouldn't have made) にする。

<語句>
make it「成し遂げる、病気などから回復する」
問題文は「もし家族がいなかったら、私は病気から回復できなかったでしょう」という訳もあり得ます。

<補足>
「もし家族がいなかったら」は必ずしも C010 のとおりになるとは限りません。話し手が「家族がいる」という事実は現在も続いている(まだ終わっていない)と感じれば if it wasn't [weren't] for my family となります(wasn't が口語的)。例えば、ある選手が大会で優勝してインタービューを受けているとします。このとき彼は家族に対する感謝の気持ちでいっぱいです。この場合 If it hadn't been for my family …「あの状況で家族がいなかったら …」よりも If it wasn't for my family …「このように家族がいなかったら」の方が選択されやすいでしょう。それでも「あの状況」を回顧する気持ちで述べるなら If it hadn't been for my family … としても構いません。



STEP3では、さらに難易度を上げます。日本文を見たら即座に英文を書ける・言えるのが目標です。リスニングを十分に行い、内容を相手に伝えるつもりで音読をすると効果的です。

C006 そのことを知っていたら、買わなかったのに。
I wouldn't have (          ) it if I (          ) (          ) that. (空所補充)





<解答>
そのことを知っていたら、買わなかったのに。
I wouldn't have ( bought ) it if I ( had ) ( known ) that.

<解説>
条件節:既に終わったあの状況に関する仮想なので、
過去完了形 (had known) を用いる。(仮定法過去完了)
帰結節:既に終わったあの状況に関する空想なので、
【助動詞の過去形+完了形】(wouldn't have bought) にする。

(内容)事実を知らずに商品を買ってしまったことを後悔している。



C007 もっと勉強していたら、成績はもっと良かったかも。
I could (          ) done better if I (          ) (          ) more. (空所補充)





<解答>
もっと勉強していたら、成績はもっと良かったかも。
I could ( have ) done better if I ( had ) ( studied ) more.

<解説>
条件節:既に終わったあの状況に関する仮想なので、
過去完了形 (had studied) を用いる。(仮定法過去完了)
帰結節:既に終わったあの状況に関する空想なので、
【助動詞の過去形+完了形】(could have done) にする。

(内容)試験の結果が悪かったので、勉強不足を後悔したり言い訳をしている。

<語句>
can do better「よりうまくやれる」「成績が上がる」
study more「もっと勉強する」



C008 私はそれをもっとよく考えていたら、気が変わっていただろう。
If I (          ) considered it more, I (          ) (          ) my mind. (空所補充)





<解答>
私はそれをもっとよく考えていたら、気が変わっていただろう。
If I ( had ) considered it more, I ( would've ) ( changed ) my mind.

<解説>
条件節:既に終わったあの状況に関する仮想なので、
過去完了形 (had considered) を用いる。(仮定法過去完了)
帰結節:既に終わったあの状況に関する空想なので、
【助動詞の過去形+完了形】(would have changed) にする。

(内容)深く考えずに判断して幾らか後悔する一方で、自分が選択したことだから仕方がないと思っている。

<語句>
would've = would have
consider ~「~を考慮する」(他動詞)
change one's mind「気が変わる」



C009 もしも音楽がなかったら、私は気が変になるでしょう。
If it ( weren't / hadn't ) (          ) music, I would (          ) crazy. (選択・空所)





<解答>
もしも音楽がなかったら、私は気が変になるでしょう。
If it ( weren't ) ( for ) music, I would ( go ) crazy.

<比較>
① if it were not for ~「~がなかったら」
まだ終わっていない状況に関する仮想の場合は、
過去形 (were) を用いる。(仮定法過去)

② if it had not been for ~「~がなかったら」
既に終わったあの状況に関する仮想の場合は、
過去完了形 (had been) を用いる。(仮定法過去完了)

<解説>
条件節:まだ終わっていない状況に関する仮想なので①を用いる。
帰結節:まだ終わっていない状況に関する想像なので、
【助動詞の過去形+動詞の原形】(would go) にする。

(内容)音楽が大好きなので、それがない生活は全く考えられないと思っている。

<語句>
go crazy「気が変になる」



C010 もし家族がいなかったら、私は成し遂げられなかったでしょう。
If it (          ) been (          ) my family, I wouldn't have (          ) it. (空所補充)





<解答>
もし家族がいなかったら、私は成し遂げられなかったでしょう。
If it ( hadn't ) been ( for ) my family, I wouldn't have ( made ) it.

<比較>
① if it were not for ~「~がなかったら」
まだ終わっていない状況に関する仮想の場合は、
過去形 (were) を用いる。(仮定法過去)

② if it had not been for ~「~がなかったら」
既に終わったあの状況に関する仮想の場合は、
過去完了形 (had been) を用いる。(仮定法過去完了)

<解説>
条件節:既に終わったあの状況に関する仮想なので②を用いる。
帰結節:既に終わったあの状況に関する想像なので、
【助動詞の過去形+完了形】(wouldn't have made) にする。

<語句>
make it「成し遂げる、病気などから回復する」
問題文は「もし家族がいなかったら、私は病気から回復できなかったでしょう」という訳もあり得ます。

<補足>
「もし家族がいなかったら」は必ずしも C010 のとおりになるとは限りません。話し手が「家族がいる」という事実は現在も続いている(まだ終わっていない)と感じれば if it wasn't [weren't] for my family となります(wasn't が口語的)。例えば、ある選手が大会で優勝してインタービューを受けているとします。このとき彼は家族に対する感謝の気持ちでいっぱいです。この場合 If it hadn't been for my family …「あの状況で家族がいなかったら …」よりも If it wasn't for my family …「このように家族がいなかったら」の方が選択されやすいでしょう。それでも「あの状況」を回顧する気持ちで述べるなら If it hadn't been for my family … としても構いません。



<空所内の文字について>
空所内に文字が記されている場合は、正解が他にもあり得ることを示します。しかし、ここでは「みんなの英語道場8」の英文を学ぶことを目的とするため、左寄せの文字がある場合はその文字で始まる単語を正解とします。同様に、右寄せの文字がある場合はその文字で終わる単語を正解とします。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?