遠きにありて、キューピーマヨネーズ
先週、自家製マヨネーズの作り方を検索中にマニアックなYouTubeチャンネルに出会った。Genの文庫食堂。Gen’s Bookshelf Cafeteria.
何がマニアックって「昭和96年シリーズ」というプレイリストがあり、昔の(本物の)CMに混ぜて昔風に編集した今のCMが前後に流れたり、メインの内容も料理の進行に合わせて高橋圭三アナウンサーを彷彿とさせる語り口調で「イャー、これはどうも、たまりませんなぁ。」などとナレーションが入る。最近は昭和レトロという言葉をネットでよく見かけるけれども、ビデオ編集もそういうのが流行りなのだろうか。
昭和96年シリーズには「大正111年(昭和97年)のお雑煮」なる料理ビデオが収録されている。それを言ったらさらにカッコ書きで{平成34年}[令和4年]のお雑煮まで書き込まないと筋が通らないでしょうとツッコミを入れたくなる不思議な世界だ。
このGenさんの完全再現シリーズの中に「キューピーマヨネーズ完全再現への道」のビデオがあった。Genさんが何度も作り直してほぼキューピーマヨの域に達した後、「ここまでご覧になった通り、普通に買う方がはるかに楽で美味しいです。普通に買ってください、とにかく買ってください。」というナレーションで終わっている。
いいえGenさん、あなたの異常なこだわりのビデオがアメリカの田舎住みの日本人には非常にありがたい。日本のマヨネーズはどこでも買える物じゃないし売っていても値段が高いからまるでハレの日の食べ物だ。自分にとって「これはゆずれない」ってもの、たとえばお好み焼きのトッピングや、ゆで卵にちょんとつけたりに限定で、ポテトサラダ等で大量消費の時はアメリカのマヨネーズでと使い分けているほどだから。これが家で作れたらポテサラだって日本の肉屋の惣菜の味がバッチリ楽しめる。
この不思議な昭和96年シリーズはこれからも続くのかわからないが、Genさんが再現してくれたらうれしい昭和の食べ物がある。自分がまだ幼児の頃、母親が電気炊飯器で作ってくれた半分ケーキで半分ババロアのおやつ(チョコレート風味)があって、プリンミクス的な小箱で売られていた。昭和40年代前半の話し。そしてそのビデオのニセ提供CMは万能野菜調理器ベンリナーでお願いしたい。