森絵都さん『カザアナ』を読んで
本の選び方って大事です。
本屋さんを歩き回るときは好きな作家を無意識に探してしまいます。
久し振りに森絵都さんの本を読みたいなぁとなんとなく思いました。
「カザアナ」ってタイトル見たことないなと思って手に取りました。
この本から「不思議な力」を感じました。
ごちゃごちゃしているかっこいい表紙なのかもしれません。
帯広告の言葉が心に刺さったのかもしれません。
森絵都ワールドの何かをどこからか感じたのかもしれません。
とにかく、本を手に取った瞬間から「買うしかない」と思わされました。
どんなお話かなと、表紙、目次とめくると【登場人物紹介】でした。
これはめずらしい。そんな難しい話なのか?
右ページは割と情報量少なめの人物紹介。
左ページはまさかの平安時代のどうたらこうたら。
「やっべー本に手を出したな。」って思いました。
時代小説は自分のテリトリーではないので楽しめないかも。
よく見たら右ページの紹介も意味不明だし。
「石に詳しい」「虫に詳しい」「空が好き」ってなんだよ。
残念ながらワクワクしてこなかった。
という不安は確かにありました。
ありましたが、完全にいらぬ心配でした。
今とは違う日本で生きる入谷ファミリーやカザアナの人びとが眩しい。
でも、その思いはどこか現在を生きている自分と繋がっていて。
難しい世界観の話のはずなのに、サクサク読み進められます。
それぐらい魅力的な登場人物たちと、読みやすい文章なんです。
これぞ、森絵都さんって感じ。
楽しい読書時間をありがとうございます。
自分の直感で吸い寄せられた本っていいですよ。
これだから本屋さんでの散歩はやめられません。