クロスモーションの制限因子を分析する-胸椎・胸郭・股関節編-
腰痛や股関節痛で悩む選手の特徴
腰痛や股関節痛(グローインペイン症候群)で悩まさせれている選手は、このように訴えるケースが多いと思います。
このような選手は再現痛を評価することが難しい場合が多々あり、痛みの原因を把握することができず治療に難渋してしまうことがあるかと思います。
しかし、このように悩んでいる選手たちにも共通した特徴があると思います。
それは、プレー中の《フォーム》に何かしらの問題を抱えているということです。
特に、サッカーの基本となる《キックモーション》におけるフォームに問題を抱えている選手が多いと自分自身感じています。
そのような選手に対して大切なのは
《特定の動き(キックフォーム)の中で患部へかかるメカニカルストレス》
を分析することだと私は考えています。
キックフォームの崩れがどのようにカラダへ影響するのか
崩れたキックフォームとは一体どのようなものなのか、一度確認していきましょう。
こういった現象の中でも、蹴り足と対側上肢の不使用いわゆるクロスモーションに制限がかかり、グローインペイン症候群や腰痛につながる選手は非常に多いと思います。
クロスモーションとグローインペイン症候群の関係性は以下のように考えられています。
何らかの問題で上半身と連動して動作する肩甲帯~骨盤の回旋動作が妨げられると、股関節単独の屈曲・内転動作でキックが行われるようになり、股関節周辺に過剰なストレスが発生し、股関節周囲に痛みを生じると考えている。
(引用:「鼠径部痛症候群の定義は修正される~器質的疾患の発生要因を解明して診断・治療・リハビリ・予防を行う概念に進化する~」)
また、腰痛との関係性として、クロスモーションの制限を代償的に腰椎を過前弯させ、症状につながるケースが多々あります。
この代償動作が腰痛へつながるメカニズムは次のように考えられています。
腰椎椎間関節や椎弓での圧迫ストレスや剪断ストレスが生じるため、椎間関節症や腰椎分離症を引き起こす要因となる。同様のメカニズムにて筋・筋膜腰痛が生じることもある。
(引用:「スポーツリハビリテーションの臨床」)
クロスモーションの制限因子を特定するには
クロスモーションを改善させるためには、当然その原因を特定することが重要です。
ただ、クロスモーションは全身の連動性による動きであるが故に、その制限因子は全身のいたるところにあります。
実際の臨床でも、この原因が股関節の伸展制限や筋機能不全であったり、肩甲帯を含めた胸椎・胸郭の機能不全、軸足の不安定性であったりと同じクロスモーションの崩れが症状につながっているとしてもその原因は様々です。
一言で『クロスモーションが制限されている!』といってもその原因がどこからくるものなのかその人それぞれです。
そのため、よりクロスモーションという動きを細分化し、多角的な視点から評価していかなければなりません。
以前のnoteでは、キックフォームの全体像を掴むためのお話をさせていただきました。
このあとからは、股関節痛や腰痛につながるクロスモーションの直接的な制限因子となるような要素(胸椎・胸郭・股関節の可動性や筋機能など)を細分化して、より細かく分析する方法についてお話しさせていただきます!
最後まで読んでいただけたら、競技動作に近い動きから慢性的な痛みを取るために必要なヒント(身体所見)を見つけることができるようになるかと思います!
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