おたくの改善婆、怒ってます? [心理療法・ACTのやり方] コントロール戦略を解説していたら千と千尋に辿り着いた話
前回の記事からずいぶんと時間が空きました。
完全に独学で学ぶ心理療法・ACT(アクト)を、
これからどんな風に表現したいのか分からなくなって、一度完全にお手上げにもなりました。
が、テパサンの解釈を書き起こして、少しずつでいいから思考と心と行動について理解を深めたい思いはやっぱり消えず。
自分の学習のためにも、同じようなところで立ち往生している誰かがもしいたらその誰かのためにもなったらいいなと、ぽちぽちと言葉を探しては書き始めました。
そんな中、テパサンちの子供たちは春休みに入り
(実は南半球で暮らしています)
毎日を慌ただしく過ごしていく中で、不思議な体験をしました。
そう、それがACTのテクニックのひとつ「脱フュージョン」!
翻訳に文句言うつもりはないですが、なんと分かりづらいことか。
全体的に初心者にはとてもとっつきにくい内容だと感じてるけれど、この具体的なイメージの全く湧かないワードよ(笑)
これじゃ全く何のことだか分からない。
実際にやってみるしかない。
だってピンときてしまったのだからね。
テパサンがACTを始めた理由。
「内容よくわかってないけどなんかピンときた」
ただこれだけです。
この「脱フュージョン」に至るまでの経緯として、
今回は「コントロール戦略」について書いていきます。
さて、それじゃぁ始めるよ。
誰かがどっかでピンときてくれたら嬉しいです。
コントロール戦略に白旗を
何をするにしても、頑張っても楽しても、生きていく中で「感情や思考をコントロールしよう」というチャレンジについては、とりあえず白旗あげていきましょう。というのが、ACTを実践する上での最初で最大の難関じゃないだろうか。
理由は、簡単に言うと「本能に逆らうことはとても疲れるから」。だって人間という生き物は、集団を作り社会性を持った時から
!魅力的になってより多くの子孫を残そう!
!効率よく作物を作るために去年の失敗を改善しよう!
!他の部族にあって自分たちにないものは?見つけてより強くなろう!
みたいなことをずっと続けてきているわけですよね。
本能的に人間に向上心が備わっている、っていうのもそう。
だから、基本的に誰しも「悪いところを見つけて直そう」という機能を本能的に持ってるわけです。
言ったらアレだけどテパサンなんて歩くPDCAサイクルです。
誰が見てるわけでもないのに、改善改善改善。改善婆です。
※この後、記事内に [改善婆] がいっぱい出てきます。
テパサンの中に出来上がった「良く生きようとする本能」を婆と呼ぶことにしますのでお見知りおきを。
わたしたちにその気がなかったとしても
悪いところはいつでも目につくし
他人と比較するっていう思考は絶対に出てくるし
脳が良かれと思って、本能的に思考や感情を湧かしてくるんです。どうりで勝手に改善婆が出来上がるわけだよ。
お腹がすくのをやめられないのと同じ
眠気を止めることができないのと同じ
ムラムラするのを止められないのと同じ(笑)
ように、
誰かと比較して自分の悪いところが気になったり、できることよりできてないことに目が行くんです。
この時に湧いてきた感情って、やっぱり嫌なものだから直視したくない。
考えたくないし追い払いたい。余計気になるダメループ1。
心の中で反論しては、輪をかけて嫌な返答しか返ってこないダメループ2。
こんなことで負けるわたしに情けなくなって、自責のダメループ3。
このダメループたちをどうにかしようと
・なかったことにしよう
・この思考を違う趣旨のものに変えよう
みたいな、コントロールしてやる!という気持ちが起きる。
(まぁそう思うよね)
こうやって本能によって自然と湧き出てきた思考とコンボでやってくる感情、例えば「カッとなる」とか「ショックを受ける」「自分を恥ずかしく思う」みたいなものだって、そうしようと思って出てくる訳じゃなし、でも瞬時にわたし達の心を支配してくる。
この鬼コンボがやってきたとして、どうやってもコントロールなんて出来ないわけ。出来るならとっくのとうに毎日ハッピーで腹踊りでもしてますよ。
でもなぜかわたし達はそれを「コントロールできなければいけない」と感じてしまう。
そして「コントロールできない自分」を見つけた途端
おたくの改善婆がまた怒ってくる。努力が足りないとか、頑張ってもダメだとか言い始める。
んでまたダメループ追加、4つめ。
婆(という名の本能)はそれが仕事なので、止まってはくれない。脈々と受け継ぐ「生き残りの知恵」がそうさせているから、そう簡単には止まらない。婆の勢いたるものよ、何か違うことにそのエネルギー使っておくれよ。
コントロールできちゃう時もあるよね?
今度は仮に、コントロールがうまくいったとしたらどうだろうか。
コントロールしようと働きかける時、人がする行動はだいたいこんな感じ。
!ネガティブな思考をポジティブに変えよう!
!悪いところは全部無視!いいところしか見ない!
!反論にまっとうな理由なんて死ぬほどある!説明してやるさ!
!感情なんて動いてませんけど?ハ?何の話?
「良いところを見ましょう」とか
「捉えかたを変えましょう」とか
もちろんあるし、うまく運ぶことだって勿論ある。
それですっきりと暮らせるならそれで十分大丈夫なのだ。
※ACTでは、他の自己啓発系のテクニックを否定している訳ではありません
良い所を数えるほうが、悪い所を数えるよりずっといい。
「怒りたくない」より「笑って暮らしたい」と唱えた方が脳の認識だってずっといい。
できなかった原因を追求するより、できる方法を一緒に探した方がずっといい。
こうやって解決できることだって沢山ある。
ACTで特に注目するのは、それが効かない厄介なヤツなのだ。
ボスキャラ的思考と闘う
コントロール戦略で問題になるのは、
●一時捉え方を変えたりしただけでいなくなる程じゃない、繰り返し現れる根付いた思考。気づかないうちに習慣化されてる思考。
●いつもいつもしつこくつきまとう、直接感情に触れてくるようなストーカー的な思考。嫌な場面をフラッシュバックさせたり、感情のボルテージが爆上がりするやつ。
こういうのは、変えることも押しやることもそう簡単にはできない。例えばどっかに押しやったりすると、ブーメランみたいに反動倍返しで帰ってくる。物理の法則と同じで、無理に押し込んだのと同じだけの力で「ただいま~、はいドーン!」と倍返しラリアットを食らうことになる。
これはすごく痛い。その上「やっぱりできなかった。。。」っていう敗北感をわたし達に植え付けてものすごいマウント取ってくるもんだからタチが悪い。
それでも世の中では「ポジティブに~」なんて言われるもんだから、ポジティブでいなきゃ!ニコニコしなきゃ!とかウッカリ思ってしまう、だってそれがいいって色んなところに書いてあるもん。
それでまた「コントロールできない自分」を見つける羽目になり、お約束の改善婆がまた怒ってくる。努力が足りないとか、またダメだとか言い始める。
あれ、どっかで見たなこれ。
そう、少し戻ってダメループ4に合流~。。
となるわけです。
(この流れはテパサンにて実験済み)
こうやって湧き上がる厄介な思考や感情、そこに鎮座する婆と闘い、わたしたちはどれだけ身をすり減らしてきたでしょうかね?
不毛な闘いを繰り返してまた消耗する。
自分を責め、他人を責め、環境を責めて。
本当は、そんなことしてる間にもっと人生を豊かにするために何かできたはずなのに。気づけばコントロール戦略に飲み込まれている、というわけ。
ただひとつ、このボスキャラ的思考に立ち向かえる方法。
それが『コントロール戦略から手く』ということ。
押しやろうとしたりせず、そのままそこにいてもらうこと。
電車の中で静かに横に座るあの カオナシ のように、そっとそこにいてもらうのだ。
ひとたびコントロールから手を引けば
改善婆だってそう簡単に手を出してくることはない。ヨッコイショと縁側でお茶を飲んでるだけで、何も言ってこない。
その思考をただそのまま、縁側に置いておいても文句だって言わない。ただし、悪いところがある!って思考が働き始めると、婆は黙っていない。
すごい勢いで、改善にかかってくる。婆、こわい。
(思考がカオナシ、婆は銭婆みたいな構図がここで出来上がりましたな。。テパサン的にはとてもしっくりきています)
こうやってコントロールから手を引けば
白旗を上げた分、なんだかちょっとスッキリした感覚になれるかもしれません。良い意味で戦意喪失。構えてたはずの力みが取れて、穏やかになれる。
なんなら婆とお茶でも飲もうかくらいに思える。
(テパサン銭婆宅へ遊びに行きたいくらいだ)
思考の種類を差別しない
そして何よりACTがユニークなところは、
自分が厄介だと思っている思考が
!ポジティブかネガティブか?
!真実か嘘か?
!心地よいか不快か?
!楽観的か悲観的か?
ってことを全面的に無視しているところ。(笑)
思考が不快なものだから、というわけでもなくて、
たとえその思考が正しかったとしても、心地よいものだったとしても、
「それが時間とともにあなたの生活の質を下げてしまうものだとすれば」
コントロールから手を引こう、ということ。
これは前に書いた「うまくコントロールできたと思った場合」と同じで、正しくて心地よい思考をそのまま喜んで受け取って、その後それが起因して厄介な思考を呼び寄せなければヨシでしょう、という話。
「これが正しいはずなのにどうして…!!」
「こうやればうまくいくはずだったのになんで…!!」
みたいな、その思考に固執(コントロール)したばっかりに悪循環を生む思考システムが出来上がってくると、また改善婆を呼びつける羽目になることもある。婆はすぐさまやってくる。
幸福の罠を忘れることなかれ
どちら側にどんな風に振れるにしても、大きな振れ幅は反動がつきもの。
ものすごい幸福感の後には物足りなさがついてくるのに不思議はないし、どん底から上がろうと思えば息が吸えただけで大きな幸せに感じることがある。
「人生を豊かにすることにつながっていく思考かどうか」
ということだけを基準に
感情を差別せず、そのままを受け止める。
そして特別扱いせず、そこに置いておく。
銭婆のおうちでお手伝いしているカオナシみたいにね。
テパサンと一緒に体験していきませんか
心理療法・ACT(アクト)では
「自分のためにもっともっと費やせたはずの時間と労力」を取り戻すために、心や思考との闘いをやめるためのテクニックを紹介してくれています。
テパサンをはじめとして初心者にはなかなか小難しい感じである。ので、テパサンなりに解釈したものを、これからも書き留めていこうと思っています。
次回は気づき・脱フュージョンへの道のりを書いていこうかなーと思っています。
テパサンは自分の調子を整えるために、独学を深めるためにこのシリーズを書き始めました。
人それぞれに感じ方が違うのは当然だと思うので、もし何かアドバイスや体験談などのお話を聴かせて頂ける方は是非コメントくださいませ!一緒に体験していけたら嬉しいです。
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沢山の方と交流できたら嬉しいなと思っています。
何より、これを読んでくださった方が少しでも楽しんでくれたらハッピーです。
さ、今日もややこしくいきましょうかね。
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