無表情の文字に・・・
御縁に感謝です。
憧憬
僕は、今でこそ、“筆文字クリエイター”として活動していますが、振り返ってみれば、“活字のようなもの”への憧れが強かったようです。
中学時代は新聞部に属していたのですが、自分の手で書いた記事が活字になって発行されることに、楽しさを感じていたのです。
新聞社に見学に行った時には、実物の活字を見せてもらい、ずいぶんと魅了されていました。
「活字の機械が欲しいなぁ」と思ったこともあるくらいでした。
打刻
僕がまだ小学生だった頃、「DYMO(ダイモ)」というテープライターが発売されました。
プラスチックのテープに、文字を打刻し、持ち物やいろいろなところに貼ることができました。
最初は、ローマ字だけのDYMOを買ってもらったのですが、あまりにこのDYMOにはまりすぎたので、その後、ひらがなやカタカナも打てるものも買ってもらって、打刻しては、いろんなところに貼りまくっていました。
また、同居していた祖母が若い頃に愛用していたタイプライターにも興味を示し、使わせてもらってました。
こうしたアイテムは、少年だった僕にとっては“最高のおもちゃ”だったのです。
このようなものに惹かれる理由は、僕が、“手書きではない”文字に憧れていたからだと思います。
先見
大学生になる頃に、ブラザー社がパーソナルワープロを発売しました。
当時は、まだ、複数行を印刷できる機能がなかったので、「一行を打って、印字する」・・・ということをくり返して文書を作るものでしたが、とても欲しいと思ってました。
大阪の中心地の大きな書店で、そのワープロを売っていたので、通学の途中で書店に通い、よく試し打ちをしてました。
やがて、僕は、ワープロを入手しました。
(その頃には、複数行を打てて、フロッピーディスクに保存ができるまでに進化してました)
ワープロは、急速に進化を重ね、徐々に普及していったのですが、僕は、世間の流れよりも早めに入手しました。
このワープロも、僕にとっては“最高のおもちゃ”でした。
Mac
それから10年ほど経って、パソコンを入手しました。
最初はMacだったのですが、パーソナルワープロと違って、細かいマニュアルもなく、使い方を覚えるのに苦労しました。
ただ、個人的に使い方を探究して、なんとかワープロだけは使えるようになりました。
パーソナルワープロで作った文書を、パソコンで最初からつくり直して(互換性がなかったので・・・)、僕が使うアイテムは徐々に移行していきました。
活用
その後は、Windowsに切り替え、それを機に、インターネットを始めました。
開通した日から、手探りで使い方を研究(!?)し、数日後には、エッセイのメールマガジンの配信を始めました。
当時はまだSNSがなかった時代でしたが、コミュニティサイトのようなものがあり、そこで、会ったことのない人たちとの交流が始まり、毎日のようにやり取りを重ねていました。
僕がインターネットを始めた時期には、まだ、やっている人はほとんどいませんでしたが、その後、またたく間に普及し、面識のある人ともネット経由でやり取りすることが増えてきました。
探究心
今は“時代おくれの男”ですが、当時は、こういう“手書きではないツール”にはいち早く飛びついてました。
「好きこそものの上手なれ」とはよく言ったもので、マニュアルを熟読して覚えるのではなく、実際に触りながら、その機能を覚えていきました。
そういう時の探究心は、今でも感心するくらいに鋭かったです。
そして、これらのツールを活用して、僕は、自分の“ことば”を発信し続けていました。
本心
やがて、筆文字に出逢い、僕の活動は「手描きの世界」を拡げていく流れになりました。
自分が歩んできた道を振り返るうちに、「自分の本心は、“手描き”と“非・手描き”のどちらにあるのだろうか?」という疑問が生じてきました。
そして、自分なりに分析してみました。
「無表情の文字に愛情を注ぎこむ」
・・・これが、僕の本心だったのでしょうね。
活字であれば、誰がその言葉を発しても、見た目は同じです。
“非・手描き”であるがゆえに、個性は、肉眼で感じ取ることが難しいです。
そこに、僕の潜在的な挑戦が込められていたのでしょう。
この本心が備わっていたので、僕は、人の書いた(描いた)文字を観て、その人の“心”を知る力も磨かれました。
(そのことに関しては、機会があれば、またお話ししましょう)
挑戦
見た目が同じ文字であっても、そこに込める“想い”はさまざま。
ならば、その“想い”で勝負してみせよう!
どうせならば、人の心に、明るく、希望に満ちた力を注いでいきたい。
“愛情”という、人を幸福にする想いを込めていきたい。
どこまでも挑戦していきたい。
もちろん、小学生の僕、大学生の僕、青年の僕が、そんなことを考えていたわけではありません。
ただ、僕という生命の根源にある生命が、僕を介して、長い年月を導いてきたように思います。
それを、無意識の領域で感じ取り、若い頃の自分の関心を“活字のような世界”に向けさせながら、「無表情の文字に愛情を注ぎこむ」修練をさせてきたのでしょう。
僕は、この“使命”ともいうべき道を、これからも歩み続けていきます。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
皆さまの心に、キラッとしたものをお届けできれば幸いです。
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