マーク・トラソリーニという男
「ストレッチ4」の代名詞でもある彼。
206cmとは思えないほどシュートタッチが柔らかく3Pもシューター並みにクイックで高確率だ。
そして身体能力も高く、多少パスコースがズレてもそのままゴールに叩きつけてくれる。
ガードとしては物凄くありがたい。
勢いが欲しい時に彼の「アッ」と驚くダンクと3Pにチームは何度も勢いづけられた。
島根戦のリバウンドからのブザービーターは今シーズンのハイライトの一つであることは間違いない。
ただ、マークのボルテージがMAXになった時の顔について個人的にイジらないと気が済まないので一つだけ書かせて欲しい。
試合の大事な局面でマークがシュートを決めた時に80%ぐらいの確率で発生するこの顔。
あいにく、横からの写真しかなかった為、分かりづらいが
映画「戦場のピアニスト」の主人公が嘆く顔と激似なのである。
彼は昇格を決めた昨シーズンでも、この顔をお披露目している。
その時、たまたまベンチで私の横に座っていたマニーこと眞庭城聖ひげもぐらに、
「マークのあの表情、戦場のピアニストの主人公が嘆いている時の顔に似てない?」
って聞いたら
「ククククク......似てる!!!ククククク......」
と物凄く共感してくれて爆笑してくれたことを覚えている。
しかし、おそらくほとんどの人がこの作品を知らないであろう。
だから共感してくれる人も少ないのが残念で仕方がない。
さて私の自己満ネタはここまでにしておこう。
マークは茨城ロボッツの中でも割りかしクールな方である。
怒って声を荒げたり、顔を真っ赤にして怒鳴ったりしたところを私は見たことがない。
そう、リッチとはまるで正反対なのである。
(ちなみに普段のリッチは凄く温厚であることを念のためにここで弁解しておく)
故に彼が今、テンションが上がっているのか下がっているのか判断しづらい。
What's up?⤴︎⤴︎⤴︎
この語尾が上がっていたら彼は元気で
What's up⤵︎⤵︎⤵︎
と語尾が下がっていたら疲れている。
らしい。
これは大塚健吾SCからの情報である。
彼はバイウィークの練習中に膝を怪我した。
そして治療とリハビリを続け、アウェーで2連敗した新潟をホームゲームで迎える日に復帰した。
この節は彼のおかげもあり2試合とも勝つことができた。
が、しかし彼の膝の状態は良くなかった。
試合が明けた次の日、彼は歩けないほど悪化していたのである。
病院でMRIを撮り再検査。
そして彼はまた治療を続けた。
しかし状況は変わらず......。
それからは周知の通りである。
同じ船に乗って共に航海を続けてきたメンバーだったからこそ
彼から直接、手術のために帰国すると聞いた時、言葉を失った。
12名から10名に人数が減って残りのシーズン戦っていけるのかという不安より先に
「寂しい」
という気持ちが胸に突き刺さった。
私の勘違いであればいいが、いつかは治して帰ってくると思っていた仲間が突然帰って来ないと知り「寂しさ」や「失望感」が、本人から告げられたその週の千葉戦のGAME1に、もしかしたら出てしまったのかも知れない。
GAME1に負けた後のロッカールーム。
肩を落とす私たちに将吾ACが言葉をかけた。
正直、一言一句正確な言葉は覚えていないが、少なくとも選手たちの心はこの言葉で震えた。
そう。
彼もまた功平と同じように今シーズンはもう帰ってこない。
でももう大丈夫。
マークが居なくても功平が居なくても茨城ロボッツはもう大丈夫。
今まで一緒に戦ってきたんだ。
茨城ロボッツは間違いなくBUILD UPしてる。
だから残りの試合は俺たちに任せてくれ。
今は功平と一緒にゆっくり休んで、遠いカナダから俺たちの戦う姿の応援を頼む。
ベンチの後ろ2つの席は空けておくから。
またいつか会える日まで。
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