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【Web業界のコツ】ターゲット設定の落とし穴にはまらないために
この記事の作成担当:株式会社テンタス 代表取締役 小泉智洋
ターゲット設定はWeb制作をする上では必ず避けることの出来ない重要なポイントですが、同時に多くの混乱を生んでいるポイントでもあります。
「御社の商材のターゲットは?」
「今回のキャンペーンのターゲットは?」
「来期の戦略のターゲットは?」
なんて会話が日夜繰り広げられていますが、常に大きな落とし穴が存在しています。
今回はそんな落とし穴を2つのパターンでご紹介。
架空の冷凍餃子のメーカーさんを例に出してご紹介してみます。
落とし穴1「絞らなさすぎ」
「御社の冷凍餃子のターゲットは?」
「うちの商品はニンニクがそこまで強くないから子供でも食べやすいし、油が少ないから老人でも食べやすいんです。ですので、年齢は10代から80代くらいまでで、性別は男女問わずですね」
「ふむふむ」(ほぼ国民全員だぁ)
これは極端な例ですが、そもそも年齢や性別で区切ってターゲットすること自体に意味がないメーカーや商材が多くあります。
ヒゲ剃りやブラジャーなどの商材なら性別で区切る必然性はありますが、今あなたの視界に入っている色々な商品のターゲットを年齢や性別で区切ることってできますか?
私の目の前にはノートPCやwebカメラ、コーヒーを飲んでいるマグカップ、携帯電話などがありますが、これらの商品を年齢や性別で区切ること自体があまり意味を成しません。
商品開発時の想いや特性などで商材ごとにメインターゲットを設定していることはよくありますが、いざプロモーションとして展開する際には、メインターゲットという言葉が【売りたい相手】という言葉に置き換わっていることがよくあります。
そりゃあ売るのであれば属性を絞る必要はないので、結果として広く広くとったターゲット設定をしてしまう落とし穴にずっぽりはまってしまいます。
この落とし穴は大きくて深い上に発生頻度もめちゃめちゃ高いのです。
解決策は後ほど記述しますが、次は2つ目の落とし穴です。
落とし穴2「絞りすぎ」
「御社の冷凍餃子のターゲットは?」
「うちの商品は浜松餃子をイメージしているので、静岡の文化圏で人気なんです。忙しい主婦の方でも簡単に焼くことが出来るような工夫をしているので、専業主婦の方よりも共働きの方に喜ばれていて夕方にスーパーで売れているので、、、スーパーに訪れた静岡県在住の共稼ぎの女性がターゲットです。」
「ふむふむ」(せ!ま!い!)
厳密にいえばこれは最も効果が出ているターゲットセグメントなので、スーパーでの販売に限って言えばとても良いのですが、Webサイトの構築時にこのターゲットを出されてしまうとWebの特性と全くフィットしないために非常に苦労をしてしまいます。
このターゲットは既にお客さんの中で非常に効果が出ている戦略なので、これを外して戦略を立てることはナンセンスですが、ここに固執してしまうことでWebとしてのメリットを殺してしまいかねません。
このようにターゲットを考える際には、広く取っても狭く取ってもそれぞれ問題が発生してしまいますし、どれくらいの広さでターゲットを取ればよいかは非常に判断が難しいポイントです。
ターゲットを決める際のアドバイス
ターゲットの考え方はマーティングの本などでによって様々なセオリーがありますが、私がお客さんに良くご提案するのは以下の方法です。
「除外する人をまず決めましょう」
売りたいターゲットを考えてしまうとターゲットは広くなってしまいますし、効果の高いターゲットを考えてしまうと狭くなってしまいます。
ですので、考え方を少し変えて【注目しなくてもよいターゲット】から決めてしまう手法です。
まず最も簡単なフィルターは【その媒体にアクセスしない人】を除外します。
例えばWebサイトであれば年齢の低い子供や老人のアクセスはあまり効率的ではないので【注目しなくても良いターゲット】にいれてしまいます。これは商品のターゲットではなくWebサイトとしてのターゲットとして考えれば当然のことなのですが、商品を中心に考えるとなかなか除外が難しいのです。
このロジックで考えますと、次は、、そうですね、、購買行動に影響しない人を除外しても良いのではないでしょうか。
夫婦において自家用車などを最終的に購買するのは男性が多いのですが、その手前には見えていない家族会議があります。
車のような関与度の高い商材であれば実際の購買者以外もターゲットに入れる必要はありますが、webサイトにおける冷凍餃子の場合は実際の購買者以外は除外してもよいのではないでしょうか。
これが検索しなくても到達するCMなどであれば全く別の話になりますし、クックドゥなどは家族みんなで食べているCMで「あー、明日チンジャオロースー食べたーい」と家族に言わせることを目的としています。
と、ここまで除外すると見えてくるものがあります。
「あれ?実際に買う人もWebサイトを見てから買ってるの?」
ここまでくればもうゴールまであと少しです。
そうなんです!冷凍餃子はWebサイトを見て買っているわけではないんです。
ですので、このプロジェクトの場合はそもそもの認知を取るためのメディアを設定し、Webサイトではターゲットを考えずにカタログとしての使い方をするべきなんです。
これはたまたまスーパーで売れている冷凍餃子を例として出しているだけで、すべての冷凍餃子に当てはまるわけではございません。
お取り寄せグルメみたいな切り口だったりすると、Webとしてターゲットを設定する必要も出てくると思いますし、似たような商材でも様々な考え方が出てきます。
今回はターゲットは絞るよりもまずは除外してみるという手法をお伝えするためでしたが、是非一度何らかの商品を手に取って除外する練習をしてみてください。
除外をすることで、真のターゲットが浮かんでくるはずです。