単衣着物の季節。目黒の『時代布 池田』さんで、半衿を買ってみた。
衣替えの季節を迎え、JR目黒駅にある「時代布・池田」さんまで、半衿を買いに行った。
開店直後で、店主の池田由紀子さんが先客の夏帯を選んでいたけれど、合間に声をかけてくださった。早速、着物の余り布を出して、選んで頂く。
「半衿は白すぎない方が良いけど、レースって程でもないのよね」
そう言って選んで下さったのは「紗(しゃ)」の半襟で、下にもう、一枚重ねて襟に縫うことで、いかようにも色を変えることができ、柄も浮き立って、お洒落に見えるそうだ。
「二枚、一緒に縫っちゃえばいいわ。一度で済むでしょう」
下にベージュを合わせて、地紋の麻の葉をほんのり浮き立たせる。
禰󠄀豆子(ねずこ)バンザイ!
池田由紀子さんは半襟から、コーデを決めていく日があるそうで、『美しいキモノ』のインスタライブでは、半襟に柄があるなら、帯は柄の雰囲気を合わせ、柄から選んだ色を小物に使うとコーデがまとまりやすいと、コツを伝授していた。
さっそく、つけてみたいが、半衿の土台になる衿芯にも、悩むところがある。私は首が短いのか、差し込み式の襟芯だと、鎖骨の上で襟が浮いて崩れやすい。
駅ビルの呉服屋さんの長襦袢は差し込み式を採用していて、誂えた長襦袢に薄い台芯が付いている。気にせずに上から、付けてしまった。固い襟になったが、不思議と馴染んでいい感じ。
追記するけれど、いつものごっつい三河芯から、Amazonで買ったポリエステル(八千代印のバイヤス衿芯並尺。巾10.5センチ、長さ130センチ)に昇格した。
衿芯は、長い方が安定するらしい。
京都きもの市場で買える綿の「特選衿芯」だと、長さが160センチ。巾は10センチにカットすれば良い。
愛用の三河芯を使った「半襟・襟芯ユニットの作り方」が、骨格着付けの笹島寿美さんの本に紹介されていた。たまに、混乱してしまうので、ここへ覚え書きさせて貰った。
どどん!
笹島式「半襟・襟芯ユニットの作り方」
1、まず、半衿の縁を三河芯の片側に重ね、荒く縫ったら、ペロンと裏返して、半襟で芯を包む。反対側は待ち針で留めておくだけで、縫わない。
2、次に長襦袢の登場。体に近い方に襟を置き、表を上にして広げる。
3、三河芯の待ち針の付いた側を長襦袢の襟に重ね、待ち針を抜いては刺し、抜いては刺しして、全体を留め直して、縫い始める。待ち針は背中心から襟先に向かって、左右を別にやるのがコツ。
4、縫う時は、襟先から始めて良い。
5、縫い終わったら、長襦袢を裏側に返して、半衿付き三河芯を折り返す。難しい最後の工程。長襦袢の首に触れる内側は厚みの分だけ、表よりも短いカーブになる。笹島式は縫いながら、内側(折り返した半衿)をピンと張り、他(襦袢側)は緩く、縫う。ちなみに私はタックをとって、内側を短くしている。
6、縫うのは、中心から左右に30センチずつ。首回りだけを縫い留めるので、襟先の三河芯は開いて、遊びができる。動き回っても、襟が崩れない効果があるそうだ。
トライしてみよう!
参考文献 : 世界文化社『初めてでもピタッと決まる!笹島式らくワザ着付け術』監修 笹島寿美