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きもの本棚㉚『センスよく着こなす、大人の着物』*派手着物の混ぜ込み方
さて。選んだ着物が丸と直線ばかりという現状を打破するには、ワードローブに「はんなり」か「傾奇者」を混ぜれば良い。
とある呉服屋さんのnoteの記事には「遠目から柄がわかるのが、派手な着物」とあった。逆に、遠目に柄のわからない「江戸小紋」や「地色に単色で型染めした小紋」は地味な着物の部類。地味着物を言い換えれば「ベーシック」。ひいては「粋」「上品」。
個々の流儀に沿った着やすい着物に、どんな派手着物を組み込んでいるのか、ムック本で検証してみた。見つけたのは、細野美也子監修『センスよく着こなす、大人の着物』ぶんか社。ネット上で話題になっている着物のショップ(アンティーク・リユース含む)を中心に取材し、着物美人のコーデを置き撮りと着姿の写真で紹介した本なのだ。
着物美人10人のトップに掲載されていた「銀の帯留めが、婚約指輪の代わりだった」というショートボブの女性は、ワードローブのバランスが良いので、是非、参考にしたいと思った。どんなワードローブかというと
→フォーマルなら、シャンパンカラーの色無地。文楽コーデには白足袋に下駄で、破れ格子(紺)の真綿紬。そして、派手着物は大柄の格子。片袖に格子一個分とbigサイズの柄で、色の組み合わせはベージュ地に紫・緑と大胆。私は着尺が大柄だと、顔まで、大きく見えるのだが、格子柄ならイケルんじゃないのか? ちなみに、この方のコーデは帯も幾何学柄で合わせているので、帯揚げには花柄を使って「幾何学柄には、草花柄」をさりげなく、やっている。さっそく、試したいわと、和小物sakuraの新作帯揚げをリサーチ。
もう、おひとり、真似をしたいのが「はんなり系」の『花想容』のスタッフさん
→飛び柄や更紗などの全体柄の小紋で、地味でも、派手でもない。ワントーンで帯を合わせるか、ツートンカラーでまとめるかして、和っぽくない、鮮やかな色目の帯締めをポイントにしたコーデ。
驚いたのは、コミックエッセイストの星わにこさん
→リユース中心なのに、正統派コーデにこだわっていて、基本の色は紺。紺地に細かい水玉模様の木綿着物や、淡いブルー地の組紐模様の訪問着と、着物の格でコーデを変えている。星わにこさんは、雨の日用のポリ素材が派手着物。カラフルな型染めの帯にあわせた大胆な雪輪柄の羽織で、発色も良し。
ところで、テレビでは食レポ流行りだが、細野美也子さんの着物レポにはいつも、感服する。
私は『月刊アレコレ』の『街コレクション』のページのファンなのだ。
鳥尽くしで描かれた、ユニークさと袋帯の高貴さを兼ね備えた袋帯。黒紋付のいま風な着こなしにピッタリ。
シンプルな柄ですが、とてもおしゃれ。いい意味で和っぽさが薄く、ドレッシーな雰囲気が黒にピッタリ。
写真に添えられた文なので、具体的な柄の説明をはぶいている分、着物を愛する執筆者の興奮が伝わってくるのが心地良い。
比べてみると、私の着物ボキャブラリはヤバイね😂