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着付け教室のワンデイレッスンで、不思議に思ったこと
私が不思議に思ったのは、着付け教室の生徒さんに「まるで、初めて」という方が少なかった事だ。
十年前は気軽に参加できる公民館でのグループレッスンに通っていたので、「昔、習ってて」という方がほとんどで、半年過ぎて、本教室に通うようになった生徒さんの中で、初心者は私とワンレングスの美人さんだけだった。
さっぱりした性格の方で、ほどなく、お辞めになってしまったが、まとめるのが上手くて、途中は一緒になってまごついているのに、仕上がりは嘘みたいに綺麗だった。
着物で出歩く機会を持たずに教室へ通うだけだったが、それでも、通っている間はどうにかこうにか、着る事ができた。月日が流れ、忘れてしまったのは手順なのか、コツなのか。再び、着付け講師の先生のご指導を受けることに。「昔、習ってて」とワンデイレッスンをお願いした。
講師の先生からは「一年くらい教室に通って、気付かないうちに上手になっていたっていうのが、本当に身につくのよ」と、入学を勧められたが、今はモチベーションが上がっている時期なので、自力で着るのだと決意。
「お名残惜しいですが、三味線のお稽古の方がエンドレスなので」と断りすると、「エンドレスって、わかるわ」
私も同じと、共感してくださるのには、驚いた。
四回通って、袋帯には手こずるが、襟合わせは上手にできて、年相応の着姿になってきた。最終日は無理をして、夕方にレッスンを割り込ませて頂いたのだが、午前中は「まるで、初めて」という方のレッスンだったそうで、「やっぱり、あなたは手付きが違うわね」としみじみおっしゃる。
実は私、着付けでも、手付きにこだわっている。多分、それは三味線のお稽古のせいなのだ。多彩な音を出すために右手の撥の握り具合や、糸を押さえる左手の指先の感触に、どれ程、苦心していることか!
ことかぁあああ!
などと、取り乱してしまったが、正しい着付けの手付きは、力が布に伝わり安く、しっかり締まって着崩れしなくなるはずだと信じて、手付きを大切にしている。