今年も、東京キモノショーへ行ってみた!
快晴の日曜日。車の少ないオフィス街をスマホのマップ片手に連れ立って歩く和服姿。キモノスタイルの今年のテーマは「きものと装束と日本の色」。『光る君へ』は大好きだけど、十二単は雑誌やテレビで十分。なんて、思っていたのにナマで見ると綺麗。目の前にあるだけで嬉しい。
男性用の「束帯」も、展示。
私が今年、やってみたいのは和の心を知る、和事体験の数々。是非、お抹茶をいただいて帰ろうと思ったが、混み合っているので、代わりに人力車に乗ってみた。ピカピカの大きな車輪。思ってたよりも、ずっと、大きい!
故に、座席が高く、不安定。マンホールを乗り越え、タイヤが弾む感触が着物のお尻に伝わってくる。
ハタチそこそこの車夫のお兄さん、熱心に話しかけてきた。
「着物を着始めて、どれくらいになるんですか?」
「まだ、新米です。二年目です」
「実は僕も二年目です。普通にやれてますけど」と振り返り、アハハと笑う。
少し、反省したのか、弱気な声を出して
「何年したら、ベテランになれるんですか?」
「七年くらいかしら。最初の熱が覚めて、飽きるんですって。一度、飽きて、自分のことを俯瞰できるようになったら、ベテランね。ベテランになると、帯が歪ん出たりするのよ。わざとなの」
「へぇ」
若いお兄さんの車夫が再び、振り返る。
「僕の帯も、ちょっとだけ形を崩してあるんですよ」
私は「素敵よ」と誉めてあげた。人力車の走る速度は遅くとも、生きる速度は急ぎ足。目的地に着くと、マニュアルでもあるのか「知らない話を聞けて、楽しかった」と、お世辞をありがとう。なにより、お兄さん自身が満足そうで、違う世代のお客さんと会話できたことが、嬉しかったんだと思う。私には、Z世代を知る体験となった。
※追記 さてさて、詳細はこちらをご覧ください
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