パンとゴハンと大きなカバン
僕は夢を見たんです。
少し小高い丘が段々に続く道を眺めていました。
丘一面が黄色に見える程たくさんのチューリップ畑です。
男が歩いてきました。背丈は僕と同じくらいの男。
顔はよく見えませんでしたがどうやら困り顔をしているようです。
男が近くを通る時、困った声の独り言が聞こえてきたからです。
「パンゴハン パンゴハン」ブツブツとそう言っています。
パンとゴハンで迷っているのかしら?
よおく男の服装を見てみると身なりは整えた様子です。
ピカピカに磨いた革靴に、山高帽子と白いシャツ