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仕事でメンタルはどう崩れるか

仕事をしている中で自身の精神的安定をキープするのは極めて重要である。精神的に不安定になりメンタルが崩れてくると、正確な意思決定やスピーディーな判断ができなくなる。またそのようなミスが重なることで加速度的に精神は崩れ、ネガティブ思考や軽い鬱状態に陥りやすくなる。

私自身、去年の後半、10月11月はメンタルが相当に崩れていた。ストレス性胃炎にもなったし、アトピー性皮膚炎も発症し夜眠れなくなった。メンタルがますます崩れていく中で重要な意思決定が流れ込み、さらに気が滅入るような時期が続いた。そんな経験を元に、組織のなかでなぜ人がメンタルを崩すのか、そしてどう回避するかを言語化しておこうと思う。

労働時間、忙しさ、タスクの多さは原因ではない

労働時間の長さやタスクの多さ、要は「忙しい」ということが精神に影響を及ぼすと考える人が非常に多く存在する。もちろんプライベートは重要だし、そのような時間が失われるのは「大変」かもしれないが、実はメンタルを崩す要因ではない。メンタルにダメージを及ぼす要因は別にある。なんなら、全く忙しくない仕事でもメンタルは崩れるのだ

組織のミッションとビジョンを舐めてはいけない

世界中の会社や組織が「ミッション」と「ビジョン」が重要だと気づき、言語化と浸透に非常に体力を注ぐようになって久しい。どちらもカタカナであるため、簡単に説明をすると、

ミッション」とは組織の任務である。自分たちの存在理由、意味、価値。自分たちは何のために、何をするのか、の言語化。

ビジョン」とは組織の目指す方向、場所である。実現したい状態。
自分たちはどこに向かっているのか、の言語化。

(注:ミッション、ビジョンは複数の定義がある。上記は一例。)

という感じである。要は「自分たちの存在理由や価値(WHY)」の言語化である。これが熟考に熟考を重ね、明確に明文化され、浸透している、というのが極めて重要であり、そこが少しでもブレているとメンタルに影響するのである。

つまり、ミッションやビジョンが見えなくなり、メンバーが「自分がこの組織で頑張る意味や価値がわからない」と感じた時から、メンバーのメンタルが崩れていくのである。

10月11月の私の組織はまさに「自分たちの存在理由を考え直す時期」にあった。私の組織は何をどう変えたいのか、未来どういう状態になっていたいのか、そのような疑問に答える時期である。同時に、今年は三カ年計画の最終フェーズだったため、次年度から3年の新たな三カ年計画を策定する必要もある。当然、代表の私の脳内は「なぜこの組織が必要か」「何をどうしたくて頑張っているのか」などの質問で埋め尽くされた。ノートに書き出し、失敗し、本当に家を飛び出したり。夢の中でもそのような疑問が出てくるほどだった。目の前で行っている事業・施策の価値や、自分たちが答えているはずのニーズが見えなくなったり、そもそもニーズを生み出す力が無い事実にひどく落ち込んだりもした。またイシュー探しをする中で、もはや自分たちでは変えようのない日本社会の構造に帰結されてしまったり、問題のごく一部しか浮き彫りにすることができなかったりで大変な日々だった。自分の中でイシューについて格闘し頑張った話はこちら。

11月末、これかもしれない、という自分の組織の存在理由が見つかり、価値が一気に見えた瞬間があった。興奮で眠れなかったし、学生のうちに、全国組織の代表としてそのような「価値を見つける瞬間」を経験できたのはとても幸せだったと思う。それまであったストレスが一気に発散されたし、本当に気が楽になった記憶がある。メンタルは急激に回復した。

常に自分たちの価値を再確認し続ける大切さ

その時その時で、自分たちの価値は変動すると思う。どれだけ明確にミッションやビジョンを定め、柱にしようとコロナのように社会全体が大きく変わってしまい、自分たちも強制的に揺さぶられる可能性だってある。そこで振り落とされることなく、自分たちのことを対象に悩み、考え抜ける体力が必要だと思う。自分たちのミッションとビジョンは何か、振り返り理解し染み込ませ、前に踏み出す必要があるのだ。それを少しでも怠るとあっという間に方向が見えなくなり、仕事によって気が滅入るのだと思う。

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