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『劇場版 響け!ユーフォニアム〜誓いのフィナーレ〜』(アニメ映画)
視聴環境:ユーネクスト
※ネタばれします。
【感想】
『響け!ユーフォニアム』のテレビアニメシリーズ2本目の更に後のエピソード。
3年生が卒業して、新入生が入って来た吹奏楽部。
2年生となり新入生の指導係となった主人公の久美子は、コンクールを目指していく。
【内容】
こうした部活をテーマとした学園ものは、回を追うごとにその登場人物の成長過程を描いていくということも、腕の見せ所だとは思うのですが…
主役なのに、目立つ存在ではなく、縁の下の力持ち的に部活を支えるという、こうした青春群像劇ではあまり見ないタイプのキャラクターだなあと感じました。
天才とか孤立した個性の持ち主とか、そういうのがこうした青春ものの主人公の定番だと思うのですが…
主人公は努力はしている姿も描かれますが、元々それなりのユーフォニアムの経験もあって、苦労しつつも、そこまでの努力とか挫折とかもしていない…
部活や主人公家族の人間関係という大きな流れの中での主人公やその周辺のを誠実な行動が、事態を良い方向に向かわせるという…
なにかドキュメンタリーでも観ているような不思議な気分にさせる物語展開…
スマホで撮ったような縦長の動画とかを入れて、どうすればリアリティーが出るかということを考えながら作っているなあと…
主人公の久美子が関わることで、みんな心を開いて、心情を吐露し始める。
自分の内側を無様にさらして、そうすることでみんなが同じ方向を向いて進み出す。
ただれたおじさんにはキラキラしていて、眩しい…
元々前のシリーズまでの人物配置が、かなり考えられていただけに、キャラの濃い3年生が卒業してから、どう物語を組み立てていくかということを…
それまでとは違った形でのキャラクター造形や、エピソードの組み立て方で新たな魅力的な物語にしていると感じました。
今作は、前作のスピンオフ映画『リズと青い鳥』とは明らかに絵作りや物語のテンポなども変えて、王道の青春群像劇をやろうとしているのがよく伝わって来ました。
というか、以前のテレビアニメシリーズの手法をほぼそのまま踏襲している感じでした。
ただ劇場版なので、より演奏シーンで立体的に動かしていこうとしているのかなあと感じました。
ラストの演奏シーンは、これまでのように回想シーンなど入れて、なんとか間を持たせるといった手法をとっていなかったので、それなりに手こずっていたように感じました。
心の狭いいけすかないキャラクターだった2年生が、部長になって滅茶苦茶成長してるって、なんか感動するなあと…
憎まれ口ききながらも、「悔しいです!」と涙を流すラストシーンとか、ロッキーみたいじゃないかとか思ったりしました。
更にラストに、主人公の久美子が部長になるとの話に展開していき、これってあの名作野球漫画『キャプテン』みたいじゃないかと思ったりしました。
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