「84年生まれ、キム・ジオン」(実写映画)
視聴環境:Amazon prime video
【内容】
結婚でキャリアを諦め子育てに励む韓国の主人公女性キム・ジオンは、不意に意識せず別人格の人間になってしまう。
日本でもベストセラーとなった韓国の小説の映画化。
【感想】
根強い女性差別の存在する韓国社会の苦悩する女性の苦悩と、その周りの人間模様を描いた作品で、よく出来た作品でした。
原作小説は読んでいないので、小説との比較はできませんが、女性の置かれた大変な立場などがよく描かれていると感じました。
子育てあるあるとかを絡めて、現代社会の普通に子育てをしていくことの大変さ描いて、自分の経験とも重ね合わせて、いろんなことを思い出したりました。
とはいえ、子育ては終わるんだよねえという視点からの視点でも見てしまったり…
もし、自分が架空の人物であるキム・ジオンさんにあったら何をいうんだろうと考えると…
「子育てしている時は、子育てが永遠に続くと感じてしまうけど、子育てって終わってしまうんです。
その子をスマホで撮った1ヶ月前、1年前の写真を見返してみませんか?
毎日、同じようなその子も、凄い勢いで成長していませんか?」
とか、いうかもなあと思ったりしました。
フェミニズム的な文脈で書かれた物語なので、そんな物語を相対化してしまうようなものは、物語構造として存在出来ないとは思いますが…
自分も含め、人生やら自意識を拗らせる人や時期って人にはみんなあって、そうした外側からの視点って取り込めなくなっているんだろうなあと…
とは言え、儒教的な上下階層の意識の強い韓国社会の女性は、立場的にキツいものがあるのだということもよく伝わってきました。
ただ、主演のキム・ジオン役の女性がすごく熱演していたので、それはそれでよかったのですが、絵に描いた細身の顔立ちの整った美人さんで…
歳の割に疲れて老けているね的なことを言ったことを、人から言われているのに、ツヤツヤの美人さんなので、そこら辺はなんとなく引っかかったりもしました。
まあ、ベストセラー小説をエンタメとして成立させるためには、これはこれでこうしたキャスティングは正解なんだとも思いますが…
最近のハリウッドでこうした映画撮るなら、本気で老けメイクとかもしていくのかあと思ったりもしました。
そんなことも含め、多層的に考えや感想が広がっていく映画で、個人的には興味深く観れました。
https://klockworx-asia.com/kimjiyoung1982/