【人材サービスのビジネスモデル/特徴③ダイレクトリクルーティング編】
こんにちは。転職SOS 人材業界の中の人です。
さて、今日はダイレクトリクルーティングです。
※求人広告編はこちら
※人材紹介編はこちら
これけっこう一生懸命書いたんですけど・・・やっぱり説明しきれない部分ってあるよな・・・とか一概に言えないな・・・みたいなことを思うんですよね。なので、ここもっと詳しく聞きたいとかこういう場合どうなのかとかあればお気軽にコメント欄で質問ください!
僕の記事をこの記事から初めて読むという方もいると思うので、そもそも人材サービスはどんなビジネスモデルがあるのか、といったところを改めて記載しますが、もう分かってるという方は目次から読みたいところへスキップしてくださいね。
ではいきます。
◇さまざまな人材サービスモデル
■人材サービスといってもサービスは様々
「自分が求めているいい求人に出会うためには」「いい転職・就職活動をするためには」「転職・就職活動の中でたくさんの情報が手に入れる中で、その情報を取捨選択できるようにするためには」
自分が利用しているサービスのビジネスモデルや特徴を理解しておくことはとても大切です。
※悲しいことに転職者の方々は「そもそも自分が何のサービスを利用しているのか」ということを分かっていない人がほとんどだと思います。。ぶっちゃけ人材会社にいる身としては、ユーザーがなんのサービスを利用しているのか知らないほうが儲かるのでわかりづらくしている面もあると思いますが。。。
■企業から見たときの採用方法と特徴について
企業の採用活動の方法は、上記表の6つ(求人広告、人材紹介、ダイレクトリクルーティング、社員紹介、自社HP、ハローワーク)がほとんどだと思います。
そして、今日はダイレクトリクルーティングです。
◇ダイレクトリクルーティンサービスについて
■ダイレクトリクルーティングサービスの主要どころ
・ビズリーチ
・キャリトレ
・ doda Recruiters
・LinkedIn(リンクトイン)
このへんですかね。
ダイレクトリクルーティングってビズリーチさんがおそらく最初にスタートをして、急激に伸びて、その後、各大手の人材会社がマネしてスタートしていったという流れになります。ダイレクトリクルーティングは実は欧米ではかなり主要な採用手法だったのですが、日本は人材紹介や求人広告といったものが主でした。そして、近年企業がダイレクトリクルーティングで採用の成功体験を積んでいっていて、大手企業を中心に主の採用手法になりつつあります。人材紹介、求人広告といった日本で従来主流である採用手法は転職者が応募をしてくるきて初めて書類選考や面接といった選考ステップに入るのに対して、ダイレクトリクルーティングは企業人事から直接ダイレクトに「うちに来ませんか?」とスカウトをしていく形になります。絵で説明するとこんな感じですね。
つまり、すごくくだけた言い方をすると「人材会社が我々の自慢のデータベースを企業さんに開放するので、自分たちでいいなと思う登録者の方がいたら自分たちでスカウトして勝手に採用してください!」というものです。
※僕はぶっちゃけこの採用手法をビズリーチさんが広げていったときに流行らないと思ってました。いつも相対している人事の方々のめんどくさがりな面をたくさん見てきたので、「この人たちがこんな手間かけるわけない・・・」と思ってました笑 でも今ではめっちゃ主とした採用手法になっています。
◇ダイレクトリクルーティングのビジネスモデル
ダイレクトリクルーティングのビジネスモデルは下記です。
■月額使用料金(20 万~50万程度から)
※実はダイレクトリクルーティングにおいては、いくつか課金モデルに種類がありますが、これが最も主です。人材紹介と同じように成功報酬型モデルもありますが、、、企業があんまり使わないんです。なぜかというと自分で転職者をスカウトするってめっちゃ手間がかかるんです。だからお金かかってないからあとでやろう・・・ってなって、一生やらないんです。企業というのはお金が発生していないサービスを手間かけてあんまり使わないんですよね。。。なので、月額使用料金が発生しているから積極的に使っていくという部分もあるのでこれが一番メジャーかなと思います。
※オプション:スカウトメール配信の数を増やせる
◇ダイレクトリクルーティングを利用する企業側のメリット/デメリット
■ダイレクトリクルーティングを利用する企業のメリット、デメリットは何なのか
ダイレクトリクルーティングというサービスは、上記にも記載しましたが、「月額20万~50万程度で人材会社の自慢のデータベースを企業さんに公開するので、自分たちでいいなと思う登録者の方がいたら自分たちでスカウトして勝手に採用してください!」というサービスです。これもあんまりメリットがないように感じるかもしれませんが、けっこうあるんです。
①メリット1:費用が安い
・費用が安いというのはどういうことかというと求人広告と同じで仮に50万万月額使用料を払って、2か月で10名採用してもかかる費用は100万円である。なので、採用し放題であるということです。100万円で10名採用したら1人あたりの採用単価が10万円になります。※人材紹介は1名あたり120万~300万するので120万円かかる人を10名採用したら1,200万かかります(詳細は別途)。
②メリット2:面接したい!会いたいと思える人に自分たちで探せる
・ダイレクトリクルーティングは従来の人材紹介や求人広告と違って、「攻めの採用」といわれています。これはどういうことかというと「自社を応募してきてくれた人の中から内定者を決める」という従来のやり方だと自分たちがほしいと思う経験やスキルにあってない人が多かった場合、50点だけどこの中から内定を出すしかないか・・・・となります。一方、ダイレクトリクルーティングは登録者の職務経歴書や履歴書をみたうえでこちらからスカウトしていくので、80点から100点の人(即戦力性の高い人)を見つけて面接していくので希望にあった人に出会える、採用できる可能性が高いです。中途採用で何としても即戦力で採用したいという企業にはすごくメリットの大きいサービスになります。
メリットはこのへんですかね。では、次にデメリットです。
デメリット①:手間がかかる
主流の採用手法(求人広告、人材紹介、ダイレクトリクルーティング、社員紹介、自社HP、ハローワーク)の中で最も手間がかかる採用手法であるといえます。応募者を人材会社に頼らず、スカウトメールだけで獲得していくというのはいうほど簡単ではないので、メールもどんな文面にすべきかとかいろいろ考えていくとかなり工数はかかりますし、その後の転職者の対応や面接の調整等すべてやらないといけないので、大変ですね。。ダイレクトリクルーティングを導入していない会社はこれが最も導入しない理由として多いです。
デメリット②:採用成功率が低い(かけた手間にかけて採用成功率が低い)
上記にもちらっと書きましたが、スカウトメールの返信率って企業にもよりますが、0.2%~5%くらいなんです(人気企業であればあるほど返信率は高いです)。100名にスカウトメールを送って仮に5名から反応があったとしてもその後の面接にきてくれるか、本人が希望する業務内容や転職理由を解消できるかとかミスマッチも当然生まれていくので・・・・採用までむすびつけていくのはいうほど簡単ではないということです。
こんなところですかね。
◇ダイレクトリクルーティングを利用する企業とは
■どんな企業が利用するのか
ダイレクトリクルーティングが流行っていった初期はけっこういろんな会社が利用していたんですが、採用成功において明暗が分かれました。それはやっぱり人気企業だとスカウトに返信がもらえて、採用できるけど、そうではないとなかなか返信すらこない・・・という明暗です。
なので今では、下記のような会社が積極的に利用しているイメージですね。
①採用意欲はそんなに高くないけど、こういうスキルや経験があるなら採用したいや、〇〇会社の人がほしいみたいなピンポイントな採用をしたいという中小大手の会社
②スカウト配信すれば一定返信がもらえる大手人気企業
③人材紹介や求人広告はやりつくした・・・・ってかいい人推薦来ない・・・だったら自分で探してやる!という中小企業
④とにかく100名程度の大量採用をしたいから予算がある限りすべての採用手法を使いたい。
①②③④でダイレクトリクルーティングの利用の仕方が企業によってかわります。①②③はピンポイントかつ即戦力採用を狙っているので、所属している会社名で検索をしたり、職務経歴書に記載をしているキーワードの検索をしたりという感じで5名から10名にしぼり丁寧に1名1名にスカウトメールの文面もかえて丁寧に送るというやり方をします。一方④は「営業の経験2年以上」みたいな感じでざっくり絞って100名から200名に一括でスカウト配信をするみたいな使い方をします。
最も利用企業の中で多いのは、②だと思います。やっぱり人気企業からのスカウトって返信率が圧倒的に高いので、採用に結びつきやすくて、採用し放題(採用コスト削減)というメリットを受けやすく、大手人気企業やもともとダイレクトリクルーティングが主流である大手外資企業は積極的に利用しています。
◇ダイレクトリクルーティングを利用する転職者側のメリット/デメリット
■転職者にとってダイレクトリクルーティングのメリット
メリット①:自分で求人を探す必要がない
中途採用をしている会社なんて何千社とあります。それをいちいち検索かけて求人内容読んで応募するということをしなくていいということです。これはかなり大きいメリットですよね。せっかく自分が厳選して20社くらい企業を選定したのに通過する会社が2,3社しかなかったら振り出しに戻るということになりますもんね。
メリット②自分に興味をもっている会社から連絡をもらえるので選考がスムーズまた通過率が高い
厳選してスカウト配信している会社であれば、みなさんの職務経歴書をしっかり読み込んでいます。そして、前提ミスマッチがなければ来てほしいと思っています。面接でいろいろ話を聞く中で自分もどんどん企業への理解が深まっていけばとても効率のいい転職活動ができます。
メリット③企業の採用ニーズをタイムリーに把握できる
求人広告や人材紹介はあくまで自分が転職活動を始めたときに募集している会社の中で自分が行きたい会社を選ばないといけません。なので、タイミングの問題があります。
一方ダイレクトリクルーティングはスカウトメールに目を通しておけばどんな会社が自分に興味をもってくれているのか、その興味がある会社がどんなポジションを採用しているのかを把握することができます。なので、企業が中途採用をしているタイミングを把握することができます。
メリット④:自分が想定していないような会社と出会える
ダイレクトリクルーティングはやっぱりこんなポジションで入社しませんかという提案を積極的に受けられて、自分の価値や転職の幅を最大限増やせるというのもめちゃくちゃ大きいメリットだと思います。企業のニーズをしるうえで応募段階では、求人票以外になかなか得られる情報はないのですが、なにも求人票がすべてのニーズではなくて、転職者の職務経歴書を見て「あ、こんな人がいたら・・・」みたいに考える企業もあります。それは人材紹介でも求人広告でもできない企業と転職者がダイレクトにつながるからこそ生み出されるものかなと思います。
デメリット①:自分で応募したい会社をきめれるわけではない
スカウトを受けれることは魅力ですが、逆に自分から行きたいという会社からスカウトがこなかったら応募できないというのがデメリットです。
※とはいえ、ダイレクトリクルーティングだけではなく、人材紹介などを併用すればいいのでそんなに大きいデメリットではないですね。
デメリット②:ぶっちゃけこれ知りたい・・・というネガティブな質問がしづらい
自分に興味をもってくれているといっても面接ってけっこうアピールしないといけないので、残業どれくらいなのかとか上司と部下の関係がどうなのかとか口コミサイトにネガティブなことが書かれてたときの実態を知りたいときってけっこう聞きづらい質問ができないことて多いと思います。ダイレクトリクルーティングも求人広告同様、自分と企業が直接やりとりするので、ずっと聞きづらいままで自分に合っている会社なのかどうかが見極めづらいことが多いんです。※人材紹介サービスの場合はかわりにきいてくれたりするので。。
◇転職でダイレクトリクルーティングを利用すると良いのはこんな人
■誰に向けたサービスなのか
人材サービスの中でダイレクトリクルーティングほど、サービスコンセプトがはっきりしているサービスってないなと思っています。
ダイレクトリクルーティングは企業からスカウトを受け取って初めて応募ができるます。言い換えれば、スカウトを受け取れるような人材でなければならないということです。前提としていわゆる転職市場価値が高い、大手企業に気に入ってもらいやすいというのは下記のようなことです。このへんは人材紹介と一緒ですね。
・20代から40代前半※できれば25歳から30代後半
・年齢に応じたキャリアを積んでいる(30中旬では一定のマネジメント経験や年齢相応の経験、専門知識や領域がしっかりある)
・文系の場合は大卒、理系の場合は高専卒以上
・転職回数が3回以下
そのうえで、各社のサービスコンセプトにあったサービスに登録をしなければあんまりいい企業との出会いを生み出しづらいと思います。
例えば、ビズリーチさんはハイスペック(年収600万~云千万かつ管理職やマネジメント経験、突出した専門性をもちあわせている人、そうなると必然的に35歳から50代)みたいな人をやっぱりターゲットにしています。そんなサービスに25歳の若手が登録をしてもなかなかいいマッチングは生み出せません。
ただ、ビズリーチさんは大手企業の「採用コストを下げたい、若手の優秀層を安く取りたい」というニーズにあわせるために企業さんの若手ニーズにあわせてキャリトレという別のデータベースをつくってますね。20代、30代前半、高学歴、ばりばり働きたいみたいな人はキャリトレに登録したほうがいい企業とのマッチングはできると思います。
なので、サービスコンセプトに合わせて気軽に登録していくのがいいと思います。
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