昭和30年代、東京は芝神明、浜松町あたりをぶらぶらしていた少年によって、浜松町という土地とそこで暮らしたひとたちとのあいだに紡がれた交情の断片(かけら)がものがたれる。
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2020年4月の記事一覧
「小林亜郎」という漢の思い出 【東京は芝神明、浜松町あたりのものがたり】
1999年2月のとても寒い日だった。
大陸からきた大きな寒気が東京の上空にあり、そこからの冷気が夕暮れとともに下りてきて、背に冷たい荷物を徐々に背負わされてゆくような家路だった。
その夜には、ローリングストーンズの3度目の来日公演の後に行われたヨーロッパツアーのブレーメンでのコンサートがテレビで放映される予定だった。ストーンズフリークの末席を汚している自分としては、その情報が入ったときからワクワ