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国民と政治家の溝

まさか、こんなに早く続編をまとめることになろうとは。しかし、あの案で良しとされてはかなわない。自民党がようやく公表した政治資金規正法の改正案を横目でにらみつつ、5日の小欄に続く当世ウラガネ回文第2集ー

初めから、岸田首相の発言は力強かった。火の玉になって、先頭に立って、総裁としての責任で、その言はどうなったか。意気込みばかりで、上から読んでも下から読んでも〈空に浮く〉。

他党の案が出そろった後にまとめたはずなのに、どうにも腰が引けている。政治家の責任を問うために、収支報告書に議員の確認書を新たに添付させるというが、公選法の「連座制」とは似て非なるものだ。使い道が見えない政策活動費を見直す議論も先送り。〈改正、良い成果〉と歓迎の声があがるには、ほど遠かろう。

党内からは大きな異論もなく、案は粛々と了承されたそうだ。国会で目にする、いつもの〈ヤジ威勢いい政治屋〉はどこへ消えた?

派閥幹部のうやむや処分に、この改正案。党の姿勢が世の中からどう見えているか。〈磨かぬ鏡〉に映る己の姿はぼやけてしまうのだろう。先日の世論調査では、自民以外の政党による政権を望むという回答が48%あった。

裏金問題の真相を明らかにして、身を削る法改正を果たさない限り、自民党政権への〈理解と怒り〉の天秤は、大きく片方に傾く。そんな瀬戸際に立っているのかもしれないー今回は、上野富美夫編『回文ことば遊び時点』などを参考にした。


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