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ホテル時代のクレーム処理で学んだこと

謝罪には「言葉」が必要です。
言葉というのは強い力を持っているので、僕らは謝る時にも褒める時にも、あるいは怒る時にも「言葉」の力を借りています。

今日は、その「言葉」と「謝罪」について、ちょっと残そうと思います。


僕が新卒で入ったのはホテルでした。当時稼働率がほぼ100%という大人気のホテルで、部署は宿泊部です。ベルボーイという、わかりやすい仕事で言うと、お客様をお部屋まで案内する役割です。

2年目になると、時間帯責任者を任せてもらえるようになりました。
その時の1番の役割と言えば、、、

『クレーム処理』

人気のホテル、しかも宿泊料も高いので、当然ですが期待値もめちゃくちゃ高い。そのため、とにかくクレームの発生率は凄かったんですね。

クレームが起こると、それを処理する人の順番があります。そして、その順番が上がるほど、強い武器を持って怒っているお客様との戦いに挑むことが出来ます。

例えば、総支配人(あるいはその代行)になると、アップグレード(部屋を高い部屋に変えること)はもちろん、料金だってどうにでもなります。
つまり、楽勝な戦いなわけですね。

じゃー当時の僕はというと


…素手……。


要は、一番手として
「誠心誠意謝罪し、お客様の怒りを押さえてこい!」
って言われているわけです。

ただですね、当時23、4歳だったのですが、クレームをもらう部下は30代などほぼ年上。

「上のもん呼んでこい!!!」

って言われて出ていくのが、どこからどう見ても年下なんです。それが理由でお客様が余計に苛立った顔になったことが何度もあります。
(ちなみに、何度も年齢を聞かれるので、32歳って答えるようにしてました。流石に証拠を見せろとは言わないので。笑)

そんな状況の中、武器は一切なしなので、

・話の聞き方
・表情
・声のトーン
・態度

などを駆使して、何とかクレームを処理します。

で、おそらく100や200じゃきかないクレームを処理し、謝罪しまくってきた僕が学んだことはたくさんあります。
その中でも、最初は勘違いしていて、途中で気づけた大きな学びをお伝えします。

クレーム処理で学んだこと

長年のクレーム処理、謝罪経験から学んだこと。それが


『本気でこちらに非がある時は、余計な言葉はでない』


どういうことかと言うと、謝罪の場面でよく見かける1つに政治の世界がありますよね?
そこで、これでもかと言うくらいによく聞く

「心よりお詫び申し上げます」

あれ、本当に心からお詫びしたい時には出ません。


謝罪する時って、なんとか言葉を使って解決しようとします。
実際、言葉にはそういう力もあります。

ただ、

言葉が「誠意」や「心」の邪魔をすることもある

ということは覚えておいた方が良いです。

武器であるはずの言葉なのに、言葉を使えば使うほど墓穴を掘る。嘘くさく感じられ、気持ちが入っていないと思われてしまうことがあるのです。

特に、高齢者の方などは、言葉でなんとかしようと思ってもバレることが多いです。火に油を注ぐ結果になることは少なくないでしょう。


今のところ、僕のお店で大きなクレームはありません。
ですが、今後はきっと起きるでしょう。
その時に、僕はもちろん、スタッフが言葉でなんとかしようとしないように、そして、昔の僕を戒める意味でも、今回の話はスタッフに繰り返ししようと思います。


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