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2021 BEST MUSIC

2021年も気付けばもう少し。

外出の機会が著しく減り、そういえば知人友人先輩方のベストアルバムとか聞き回ってないなとふと気付きました。

各メディアとかが年末に出すやつは正直あんま見ないんですが、会った人に聞くのは結構好きです。しかし会ったとき聞いてまわるのは良しとして、率先して皆さんのまとめるほどの行動力は昔から全然上がらず。そしてこのコロナ禍の中でそもそも人お話しする機会も減り…。ですがやっぱり知りたいし何かやりたい!ってことで先輩達に連絡してお聞きしました。


2021年ベストアルバムそのままってわけではなく、せっかくなら遊ぼうってことで、グラミー的な感じで各部門を一人一人にお任せして選出してもらいました。ゆるい感じで見ていただければ幸いです。



・各部門 担当者1人の独断と偏見で選出。順不同で数人(組)



ベストSSW​アルバム

選出者:issei_maru


新譜のレコードを買いたい。その音楽が良いか分からない。先が見えなくても1歩進む。買う。分かろうとしている間にも変わっていく。それでもブツを手に入れて分かろうとしる時、情報だけではないものが自分のどこか深いところに残る。何かが分かりそうな気がする夜、昼までの自分ではいられなくなるような気もする。でも本当は何も分かってない。それでもとにかく新しいレコードを買っていたい。自ら曲を書き、自ら歌い、自ら世界を作るSSW部門の私的3枚です。

Yves Tumor 

『The Asymptotical World』

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イヴ・トゥモアは涙が出てくるほどカッコいい。
それはイヴ・トゥモアのジェンダー観がカッコいいからイヴがカッコいいんじゃない。イヴ・トゥモアがカッコいいからイヴのジェンダー観がカッコいい。卵が先かなのか鶏が先なのかではなく、鳳凰は鳳凰であることを思い知らさせてくれるような1枚。だからイヴ・トゥモアは涙が出てくるほどカッコいい。そうだ、今日は親子丼にしよう。



Jorge Elbrecht

『PRESENTABLE CORPSE 002』

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映画『フォレスト・ガンプ』で「人生はチョコレート箱なようなもの、何が出るか分からない」という世では名言とされているセリフがある。14歳の僕は「何言ってんだ。チョコが入ってるって分かってんじゃん」と思った。32歳の現在、ジョージの今作を聴いて             「ジョージ・エルベヒト〜〜!!チョコの箱はそういう意味だったのかよ〜〜!!!」と唸る。Japanese Breakfastを手掛けつつ新しい音を追求し、盤に落とし名作を産み続けてる齢43のジョージエルベヒト。憧れと涙しかない。



Noa Mal

『You And Your False Religions』

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2000年代にフィリピンで生まれたノアのレコードが僕の和室で鳴っている。1人で聴いているとノアがレコードに録音したノイズ音は私の心の愚かさを現しているのでしょうか、それとも私の心まがい物の美しさを現しているのでしょうかという気分になる。ノアは分かっている。若き矢沢永吉は「畳じゃ死なねぇぞ」と大きな声で歌った。今僕は畳の上で矢沢のレコードよりもNoaのレコードに見透かされる気分で自分の心の愚かさやまがい物の美しさを静かに見つめていたい。そんな大人になった。なっちゃった。レコードが好きで良かったと思う1枚です。




ベストポップアルバム​

選出者:kaiware



BLACKSTARKIDS

『Puppies Forever』

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Liz Lawrence

『The Avalanche』

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The Courettes

『Back In Mono』

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ベストインディーアルバム

選出者:SAM


Black Country, New Road

『For The First Time』

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正直コロナ禍以降しばらくのインディー・シーンは盛り上がりに欠けたものだと思っていて、少し音楽への情熱が冷めていたんだけど、「あ、やっぱり音楽好きだ」と思わせてくれた1枚。BC,NRは1曲が長いけど、6曲で1時間以内にまとめるセンスも含めて大好き。




Fur

『When You Walk Away』

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UKでギターロックが再興している。と最近よく言われているけど、個人的には食傷気味。さらにFurのシングルは少し甘すぎかなと思っていたところに、まさかのドライブしたギター音で一発でやられた。B面はやっぱり甘いんだけど、A面からの流れで聴くと心地いい。狙ってるんだろうなすごいと思わせるアルバム。




The Goon Sax

『Mirror Ⅱ』

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3rdアルバムはアーティストの真価が問われる(持論)。正直The Goon Saxの1st2ndはそこまで好きじゃなかったし、レコードも持っていない。彼らのファン層がガラッと変わるんじゃないかと思えるほどの変化を3rdでやってのけて、しかもこの完成度は素晴らしい。



ベストエレクトロアルバム​

選出者:yuco


Moonilena

『Tiny Portal』

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ストックホルムのDIY・ドリームハウスミュージック。浮遊感に満ちた音は、夢のなかで宙に浮いているような不思議な感覚になります。日本人の名前をひたすら歌う曲があるのですが、癖になるユニークなリズ厶と合わさってインパクト大!です。



Dawn Richard

『Second Line』

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エレクトロ・R&Bを織りまぜつつ、ジャンルにとらわれない6枚目となるアルバム。宇宙空間をイメージしたかのような近未来感のあるサウンドのなかに、メカっぽい要素も含まれています。まるで一本のSF映画を観ているかのよう。



Purple Disco Machine

『Exotica』

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ファンキーで遊び心がぎゅっとつまったドイツのエレクトロ・モダン・ディスコポップ。とくに"Fireworks"という曲が大好きで、MVの80年代香るファンタスティックダンスに魅了されます。キラっと光るネオンカラーの魔法にかけられ、何気ない日常に彩りを持たせてくれます。



ベストK-popアルバム&ソング​

選出者:nin-nin


aespa

『Savage』

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SM Entertainment所属の4人組ガールズグループ。2020年11月にデビューし、独特な世界観と歌唱力、先行し過ぎたビジュアルでリリースが追いつかない状態。ようやくリリースした今作1stミニアルバムのシングル"Savage"は初めて聴いて衝撃を受けた。明らかに今までのK-POPのそれとは異なっていたからだ。この作品から今までそうじゃなかった人でK-POPのファンになった人も多いんじゃないかな。緻密な音作り、少しずつ重なってくビートや印象的なフロウや踊り。一度聴くと忘れられない。終盤にかけて吠えるブロウステップが"もっとくれよ‼︎"と欲する所で終わりもう一度繰り返して聴く。M4のYEPPI YEPPIに至ってはポップとダンスの応酬。こういう事もやってくれるのかという驚きと嬉しさ。そんな感じで今年はよく聴いた。oh my gosh!



TOMORROW X TOGETHER


『The Chaos Chapter: Fight Or Escape』

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BIGHIT MUSIC所属の5人組ボーイズグループ。あまり前情報もなくこのアルバムを聴いたのだか、BTSと同じレーベルの後輩みたい。M4のMagicは一度聞いてハマりました。ダンサブルで耳馴染みが良い。そしてミドルテンポのビートが心地いい。DJでも何度かかけたりしました。
そしてM1 のリードトラックLO$ER=LO♡ERについては初めて聴いたときこれYUNGBLUDやん!と思ったり。良いよこの曲。エモ復権の流れ完全にあっちでもキテますね。"アイドルの枠を完全に超えた"とか野暮な事は言うつもりないけど、色々超えてきてるなと思います。



seventeen


Rock with you


PLEDIS Entertainment所属の13人組ボーイズグループ。とにかく人数が多いし誰が誰かわからない。だが人数は多いが統率が取れていてとにかくクオリティが高い。流石軍国主義と言ったとこか。なんと言っても彼ら、セルフプロデュースで曲製作してるというのだから驚き。先程ミドルテンポが心地良いと言ったが、この曲は蔓延したミドルテンポを吹き飛ばすようなアッパーな仕上がり。突き抜けたバンドサウンドはついついカラオケで歌いたくなる(歌えない)曲ですね。やっぱりこういうアッパーな曲は必要。特に今の時代。エモ復権!



Red Velvet


『Queendom』


SM Entertainment所属の5人組ガールズグループ。兼ねてからよく聴いていたRed VelvetがQueendomでカムバック。もうね、めちゃくちゃ好きですこの曲。小気味良く弾ける音、上質な歌唱に加え刻むステップ。よくこれ程に歌いながら踊れるなと。もはや匠のPOP職人。彼女たちだからこその仕上がり。



ベストラップアルバム部門

選出者:Tenpa


Lil Nas X

『MONTERO』

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ジャンルの枠にはもう収まらずあくまでラップを1つの武器に使ってやりたいことやり尽くしてる感じが好感しかないです。"INDUSTRY BABY”で叫んでる、クィアとしてのポップスター像も虚勢ではなく現実にしてるのも痛快です。

全体を通してポリティカル・コレクトネスのその先って印象です。マイノリティーな立ち位置を武器にしてる姿勢もリスペクトです。




nothing,nowhere

『Trauma Factory』

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所謂エモラップ/エモトラップに分類されると思うのですが、前作までのような陰鬱なムードをそのままパッケージングした感じではなく、陰鬱ムードは引き継ぎつつ、ポップ、パンク、エモ、ラップの比率が絶妙。しっかりトラップのビートも要所に散りばめてて固いところはきちんと固い。あんま評価されてないのかな〜ってのは感じますが、個人的には今年一番の傑作だと思ってます。




KID FRESINO

『20, Stop it』

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2021年最初の衝撃でした。最初の 『Shit, V12』でベースミュージック的なビートにラップを乗せたと思えば『RONDO』のようなメロウなフロウを使いこなす縦横無尽な才能。同世代なんですが才能の塊過ぎて嫉妬しかないです。

STUTS君の『Presence』への客演も最高でした。大豆田とわ子見てアルバム買うと幸せになれます。




書いてる段階では出てなかったんですが、Juice WRLDの『Fighting Demons』が12月10日に出ました。先行シングルの『Already Dead』の時点でめちゃくちゃ期待上回ってきました。ピアノのメロウなビートが心地よく、氏の代表作『Lucid Dreams』に匹敵する素晴らしさ。もしかしてと思い製作陣を調べたら、Nick Miraの名前ありました。流石としか言いようがありません。まだアルバム全体は聴きこんではいませんが、前作同様に既に故人であることを微塵も感じさせないクオリティ(客演の意図は今のところあんまり理解できませんでしたが)。惜しい人を亡くしたとかそんな話ではなく、ただただリリースは続いていくんじゃないかという期待感が凄いです。うん。凄い。





あとがき

皆さんのまとめてる中で、やっぱり音楽面白いなって再認識する企画になりました。初めて聴く曲も多かったし、聴いたことある曲でも人が違うとこんなにも視点変わるんだって思って楽しめました。お誘いした人数もあって部門が少ないんで、なんでこの部門が無いんだ!って思われたかもしれません。機会があれば別の方々にも聞いてボリュームアップしたのも作りたいなってのもあります(機会というか度胸かも)。当初ZINEにするという構想もありましたが、完成品早く見たくてnoteを使わせていただきました。それでもサムネとか作るのも面白かったし、皆さんのベストをフライングして聴くのも楽しかったです。いつかZINEもしたいです。

音楽って別に生活に必要かと言われたら必ずしも必要ってわけでもないのかもしれません。でも日々暮らしてて嫌なことはいっぱいあるし、めちゃくちゃメンタル沈んだりしても少なくとも音楽聴いてるゆとりがあるって事はその時間平和ってことだし素晴らしいものなのだなって改めて感じます。音楽最高!っていうよりは、音楽聴いてる余裕があるぐらい平和が続くのが良いなって思います。


最後にお忙しい時間の中、僕の思いつき&見切り発車の企画にご協力してくださったカイワレさん、ニンニンさん、サムさん、イッセイさん、ゆうこさん。そしてここまで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。

では、またの機会に。





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