妹のパーキンソン病治しましたが、それが何か? 2年生で行ったこと(手のひら先生の高麗手指鍼療法 18)
鍼灸の道は二つしかありません。
一つは病院でも治すのが難しい病気を治せることか、いま一つは腰痛肩こりなど癒しを行う方法を取るかです。
実はどちらに進んだとしてもいばらの道です。
例えば金成万先生のように末期がんを治すには、先生から気の使い方を習わなけばなりません。腰痛肩こり治療にしても治療時間内に成果を出せるまでになるには、弟子入りしないとなかなか技を習得するまでになりません。
ツボを覚えて鍼を刺せばたちどころに痛みは消える?そんな馬鹿なことはありません。
しかし入学前の生徒のほとんどは多少なりともそんな考えがあるかもしれません。入学後のギャップで衝撃を受けるのです。慌てますよ。
まだ勤めながら通っている生徒や二十歳前の生徒は軌道修正する余地がありますが、清水の舞台から飛び降りるつもりで(古い表現だな~)飛び込んできた生徒は、ショックを受けます。
もう何十年も前から先輩たちの多くは、あんまマッサージ指圧の資格でとりあえず食べていくことを考えます。そのあと10年ぐらいの期間に弟子入りの道を探して開業するのが一般的でした。
入門を願っても針の孔ほどの狭き門なのです。
金先生のような方になるには、気の使い方を習わなければなりません。セミナーで「将来先生のようにがんを治したいので教えてほしい」と言ったら「そんなことしたら飯の食い上げよー」と言われてしまいました。
治療家にとって「治療家の気」は教えられるものではないし、教えるものでもないのです。気を使って治していると自覚している治療家はどれほどいらっしゃるか?まずそのことが重大なことなのです。
弟子入りについても様々な問題があります。
1、自分がどのような治療をしたいか探すことをしなければならない。
2、本を多数出版していても、実は治療技術がない方もいると聞きました。
3、技術が素晴らしいが宣伝が下手なので患者が少なく、弟子を見る余裕がない場合がある。
4、弟子入りとは先生の気を知らないうちに譲られることだ、と私は思うのでその先生を尊敬しなければそれはかなわないことだと思います。
現代でも弟子入りは行われていますが、その道は希望者に比べはるかに狭いものです。そこで大人数でセミナー形式の授業が行われています。しかしこれでは鍼灸学校と何ら変わりません。
鍼灸学校2年生
初めての国家試験を受けるという事で、生徒は浮足立っていました。しかし伝統校だったので先生たちは慌てなくとも、授業を真面目に受けていれば資格は取れるというスタンスでした。
私は試験はそれでよいだろうと思いましたが、このペースで学んでいても3年間では何も治療に即役立つ知識は少ししか得られないと考えました。
そこで2年生になる春休みを使って講師をお招きして、10名ほどのミニ講座を開きました。
学校でもレベルは高かったのです。講師の先生は現役で仕事をされている方たちでしたが、それ以外のもっと若い前線の講師の話を聞きたかったのです。
出張治療で1時間内ですべてが終了し、結果が少しでも出て次回も呼んでいただくには、どのようなことからマッサージは始めなければならないか。
学生時代はどのようなことを心掛けていたこととか、卒業した後同級生と勉強会を開いたが3か月もすると、すぐ開業したり働き始めたものとサンデー治療家でお金を頂いていない者とは、会話の内容自体が全く異なってくる。無料のサンデーマッサージなど何の経験にもなりません。
お話を聞くだけで意識が変わったと思いますね。
2年生になるとこの業界のことが分かり始め、自分たちの将来行く末も見え始めてきます。
もう開業は諦めた生徒も出てきました。
鍼灸と言うのは紀元前256年前に、そうです漫画キングダムに描かれている時代に、東洋医学のバイブル「黄帝内経素問霊枢経十八巻」が書かれました。
はり治療とはここに書かれた気の治療を実践するものなのです。ところが以来ほとんどがこの内容の理解をするか、実践をする以外進歩させることはありませんでした。
この「気」にきずかせてくれたのが、この2年生の時でした。
「あんま」とマッサージは全く違います。あんまと鍼治療は同じものです。
気の修行という意味では、なんといってもあの北斗の拳のケンシローのモデルと言われている「鳥居隆篤」先生の気功教室に参加できたことです。
3か月後の臨床と言う授業で先生が実技を行っている時、その手元のオーラを見てしまったのです。
「なんだ先生たちは手元でこんな気のコントロールをしているんだ」と見てしまったのでした。
ツボなんて関係ないというのが理解できた瞬間でした。
学校の中で「気」を学ぶ雰囲気がなければ、ここまで到達できなかったかもしれません。
東洋医学とは「黄帝内経」に書かれている気の治療そのものなので、それを理解し気の調整をすることなのです。
全ての原点がそこにあるのです。
仕事などでも迷ったら原点回帰が必ず必要になるはずです。同じです。
もう学校生活は3分の2まで来てしまいました。
10人の生徒は資格を取って元の仕事に戻ろうと考えていたようです。
入るのは簡単でも出てから生活するのは大変という現実を突きつけられてきたころです。
法則の名前は忘れました。「その業界の売り上げの8割は、2割の者が持っていくのだ」
2割に目が行きがちですが、実は稼げない者が8割はいるのです。
ところがこの業界その8割の中に実は知られずに素晴らしい治療をされている方がいらっしゃるのは皮肉でしょうか?
まとめ
1、鍼灸学校の3年は短いがやるべきことは無限にある
2、学校で優等賞を受けたものは代々開業できない
3、成績が悪かったのは少しでも時間があれば、お金を頂く実戦経験をつんだから
4、気の修行をどこかで行わなければ、将来の治療は成果を上げられない
5、弟子入りを早くから考えるべきだ
私のホームページはこちらです。「手のひら先生のリウマチ相談室」
次の本は「手のひら先生スタイルの高麗手指鍼療法」がどのようにして生まれたのかを書いたものです。
他の鍼灸書のようにこのツボを使えば治るというような本ではありません。手のひらのツボのことや治療法については
「高麗手指鍼講座」柳泰佑著 たにぐち書店 刊 日本語訳がありますのでご覧ください。鍼灸は見たり読んだりしても身につくものではありません。
一般の方には病気を治す鍼治療とはどういうものか理解できるように書いてあります。さらに私なりの簡単自律神経調整法を図解しております。