成長ホルモンの分泌を加速させ、理想の体型を目指そう!!
成長ホルモンは、成長期の子どもだけでなく、成人にとっても非常に重要なホルモンで、筋肉の成長、脂肪の燃焼、そして代謝の向上に役立ちます。
成長ホルモンの分泌量が高まれば、筋肉が発達しやすくなり、やせやすくなります。
今回ご紹介するのは、運動の持続時間と性別がこの成長ホルモンの分泌にどのような影響を与えるかを調べた研究です。
この研究では、成長ホルモンがどのように分泌されるかを分析し、特に運動時間と性別がその分泌量にどのような違いをもたらすのかを調べています。
研究の目的は?
この研究の目的は、運動の持続時間が成長ホルモンの分泌にどう影響するか、その影響が性別によってどのように異なるかを明らかにすることです。
成長ホルモンは運動によって分泌が促進されるホルモンで、代謝を活性化させる重要な役割を果たしています。
運動が成長ホルモンの分泌を増やすことはよく知られていますが、その効果が運動時間や性別によってどう変わるのかは、これまで明確ではありませんでした。
方法:どんな運動をどれだけしたの?
研究には15名の健康な若年成人が参加し、男性8名、女性7名が対象となりました。
各被験者は、自転車エルゴメータを使用し、30分、60分、120分の運動をそれぞれ異なる日に行いました。
すべての運動セッションは、ピーク酸素摂取量の70%という一定の運動強度で行われ、運動中や運動後に成長ホルモンの分泌がどのように変化するかが測定されました。
さらに、運動の前後で10分おきに血液サンプルを取り、合計240分間にわたり成長ホルモンの分泌をモニタリングしました。
この研究の醍醐味として、同じ人が異なる日に30分、60分、120分の運動をそれぞれ行うことで、運動時間がどれだけ成長ホルモンに影響を与えるかを調べています。
これにより、同一の被験者内での運動時間による成長ホルモンの分泌の変化が正確に比較できるようになっています。
結果:運動時間が長いほどホルモンが増える!
結果として、運動の持続時間が長くなるほど、成長ホルモンの分泌が増加することがわかりました。特に男性では、この増加が顕著でした。
男性の結果:
30分の運動での成長ホルモン分泌量は601 µg/L/4時間。
60分では1,394 µg/L/4時間。
120分では2,360 µg/L/4時間。
女性の結果:
30分の運動では659 µg/L/4時間。
60分では1,009 µg/L/4時間。
120分では1,243 µg/L/4時間。
女性でも運動時間が長くなるにつれて成長ホルモンの分泌は増加しましたが、男性に比べてその増加幅はやや控えめです。
これにより、運動の持続時間が成長ホルモン分泌に大きく影響を与えること、特に男性ではその影響が強いことが確認されました。
結論
この研究から、成長ホルモンの分泌には運動の持続時間が非常に大きな影響を与えることがわかりました。
特に男性では、長時間の運動を行うことで成長ホルモンが多く分泌されるため、筋肉の成長や脂肪燃焼を効果的に進めたい場合は、少し長めの運動時間を取ることが有効です。
一方、女性でも成長ホルモンの分泌は運動時間に応じて増加しますが、男性ほど劇的な変化は見られません。
そのため、女性の場合は運動の強度や頻度をバランス良く取り入れることで、効率よく成長ホルモンを分泌させることができるでしょう。
成長ホルモンはただ分泌されればいいというものではなく、適度なバランスが重要です。
過剰な分泌が続くと、逆に健康に悪影響を及ぼすこともあるため、無理のない範囲での運動を心がけることが大切です。
Wideman L, Consitt L, Patrie J, Swearingin B, Bloomer R, Davis P, Weltman A. The impact of sex and exercise duration on growth hormone secretion. J Appl Physiol (1985). 2006 Dec;101(6):1641-7.