近所の公園で森に迷い込む。
GWが来ましたな。
待ちに待ったGW。東京駅は大変な人出だったとか。
旅行に行く人、そんなに多いのか~とびっくり。
GWってどこへ行っても激込みしてるし、そもそも宿泊費も交通費も高過ぎて手が出ないよ~。
普段みんな値上げで生活が大変!電気代が今月から~とかって話で盛り上がってるのに、ほんとはまだまだ余裕があるってことなのでしょうか…。
もしかしてGWに旅行に行けない私ってホントに瀕してる…?
貧すれば鈍する。
近所の公園でピクニック
何はともあれ、2023年5月3日がお出かけ日和なことには間違いなし。
ご近所のちょっと大きな公園にピクニックに出かけました(ひとりだよ)
原っぱのある広々とした素敵な公園。
行く途中にあったパン屋さんで、コロッケパン&クロワッサンを調達。
公園も特段混んでいるわけでもなく、やすやすをベンチを一つ確保して早速ピクニックを開始。
のんびりと原っぱで食べるパン屋さんのパンがおいしくないわけがない。
奇を衒わない昔からありそうな素朴さで、とにかくおいしい。
コロッケがきちんとお惣菜としてコッペパンとタッグを組めている。
クロワッサンもバターの風味とサクサク触感が期待を裏切らない。
やっぱり私はおしゃれハード系のパンよりこっちが好きだなぁ。
散策路を発見
子供たちがほのぼのお父さんお母さんとバドミントンしている様子を眺めたり、原っぱに寝転がってみたり、かなり満喫しました。
バラの植えてあるところがあるというのでそこまで歩いてみると、なにやら道が木々の奥まで続いているらしく、「散策路」と看板が出ている。
へーっ、こんな近所で自然に癒されるなんていいじゃん!と後先考えずにずんずん歩いて行ったのがばかだった。
本当に森だった。
小鳥のさえずり、木漏れ日、土や落ち葉の香り…今、私は癒されている…
だなんて思えてたのは多分5分もなかった。
絶えずひっきりなしに聞こえる羽音。(多分ハエだとは思うけれども、もしかしたら蜂かもしれないという考えが頭をよぎってきて恐怖)
落ち武者が逃亡時に使った道みたいな道じゃない通路。
何もいないように見えるのに時折聞こえる「ガサガサっ」という音。
私の知っている散策ではなかった。
自然を舐めすぎていた。
休日を森林浴でリフレッシュとか、そんな幻想に惑わされていた。
迂闊に自然をプッシュしているメディアは反省してほしい。
ウキウキはいつの間にか、決死の覚悟のドキドキへと変わっていた。
人里に降りる
途中、一組のご夫婦とすれ違った。
「こんにちは~」
「あ、こんにちは~」
にこやかに挨拶を交わしすれ違う。
…いや、これ登山のマナーじゃない???
ご夫婦の服装も、よく高尾山行きの京王線電車内で見かける装備そのもの。
この散策路って、うすうす気づいていたけれども、もしかして普段着で入ってこないやつ…?
けれども、正直かなり歩いてきてしまったし、戻るに戻れない。
戻る道も正直定かではないから、とにかくこのまま進むしかない。
衝撃の事実に対する愕然として気持ちと、先の見えない不安を抱えながらえっちらおっちら山道(もはや山ですよ)を進むと、ちょっとした開けた道とお堂が出てきた。
人の作ったものがあると分かった時の安心感たるや…!
ついでに矢印看板も発見。
「右 ジェラート屋」
こんな道を通ってジェラート屋行くやつおるんか…?
つっこみながらも、右に進む。
もはや私を突き動かすのはジェラートのみ。
人の原動力となり、生きる希望を見出させるジェラートのなんと偉大なことか。
途中かなり大きめの羽音に付きまとわれて、ほとんど発狂寸前になりながらもなんとか歩き、光量が徐々に増え、道が開けてきたころ、民家と畑が連なる風景が、目の前に広がった。
ようやく人里にたどり着いたのだ。
ジェラートって偉大
早速そこから徒歩五分のジェラート屋さんに入る。
シングル450円。いいお値段するのね…。
ざっと種類を見渡すと、牧場しぼりたて牛乳を使ったミルクジェラートが目に入る。定番っていいよね…。
お姉さんにミルクジェラートをお願いし、赤いパラソル付きのベンチに腰を下ろして本日のご褒美をいただくことに。
おいしい…。
急に始まった山歩きと精神的緊張感で疲労困憊していたところに、ひんやりとした滑らかな甘み。濃厚でいて爽やかでまるで牧場に吹く風のような味わい…。と、食レポするならそんな感じの味わいです。
実際はもう「おいしい~~~」としか感じていなかった。
無事人里に降りられた安心感と、おいしいものを口にした時の幸福感。
なかなか得難いものがある。
いつでも冒険は側にある
ジェラートをつぺつぺ食べたあとは、人がコンクリートで敷詰めた道を悠々と進み、帰路に着いた。
昨日トリートメントした髪はぼさぼさで、普段甘やかしているふくらはぎは急激な労働に耐えられず悲鳴を上げている。
家でざっとシャワーを浴び(昼間のお風呂大好き)、布団に倒れこむ。
目が覚めたのは、夕方だった。
思い返せば、かなり充実した一日だった。
実は今日、このピクニックはデジタルデトックスを兼ねようと思い、スマホは家において来ていた。
どのパンを買うか、散策路について、ジェラート屋について、デジタルな情報・人様のご意見は一切入っていない。
全部自分自身で発見し、選択した結果による休日となった。
特段すごいことも何もないし、とりとめのない一日だったと思う。
なのにこの充実感、いったい何なのだろう。
スマホがあれば、おそらく散策路に入る前に散策路の情報を調べ、歩くのをあきらめていた。せっかく見つけたジェラート屋さんも、レビューとにらめっこをして、入るのを悩んだかもしれない(おいしいのに)
日常をちょっとした冒険に変えるのは、案外簡単なのかもしれない。
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