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春の江ノ島

思い立って江ノ島に行ってきました。
平日にもかかわらず結構人が沢山いてにぎわっている。
マスクを外すと、潮風の香りが漂ってきて、海に来た…!と実感する。
遠いところに来たんだな、と少しうれしくなった。

お昼時でお腹もすいたので、ちょっと路地のほうに入って、漁師さんがやっているという食堂に入りランチを頼む。
二色海鮮丼(釜揚げしらすとほうぼう?だったかな?)としらすのかき揚げ、のりの味噌汁とお新香のセット。
しらす達の瞳をじっと見ていると、こんなにちっちゃいのに沢山の大きな生命を、一食としていただいているのだなぁという壮大な気持ちになってくる。
ありがとう、本日の糧。

江ノ島をなんとなくぐるっと回って、お土産屋さんをそれとなく見て回る。
昔からのお土産屋さんのショーウィンドウには、よくおばあちゃんの家にあるような、貝殻の帆をつけた船の模型などが展示されていて、少し懐かしい気がした。女児が好きそうな宝箱を模したプラスチックの箱に詰められた貝殻のセットを買って、いい気分で本土に戻る。

まだ日が高いので、折角だから海岸でのんびりすることにした。
砂浜に続く階段に腰を下ろしてお日様を浴びる。
ちょっと離れたところから、おばちゃんたちの楽し気な話し声が波の音と共に聞こえてきて、なんともいい気分。

海岸からの風景。見渡す限りの快晴。

何にも遮られることなく水平線へと続く空。
波間を滑るカラフルなヨット。
YOUTUBEではなくちゃんと耳に響く本物の波の音。
海に来たなーという実感が湧いてくる。
けれども。
思い立って、海に来た!!という即行動に移した時の達成感は得られたけれども、ちょっとお行儀の良過ぎるような、なんとなく物足りない気持ちがしてくる。もう少し勢いが欲しいような…。
そんな妙な寂しさを感じながらも、半ばあきらめの気持ちでぼんやりしていると、目の前を、蝶ネクタイを締めたいかにも結婚式帰りの格好をした少年が「わぁぁぁーーーーっ!!」と歓声を上げながら海に向かって砂浜をかけていった。その後ろを必死で走って追いかけるスーツ姿のお父さんらしい男性。もちろん、少年に追いつけるはずもなく、素敵な蝶ネクタイの少年は何の躊躇もなしに海に飛び込んでいく。

そうじゃん、海に来たのにどうして忘れてたのか。

パンプスを脱いで、裸足になる。
素足を海に浸して空を見上げる。
海の匂い、波の力強い音、海水の冷たさ。

遠くで見て、分かった気になってただけだった。
しっかりとした充実感をお土産に、帰りの江ノ電でぐっすりと眠りこんだ私なのでした。

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