ちゃんとさよならして
インクを刷り込む音が一定のテンポで流れていく。職員室のコピー機は調子が悪くて、1枚印刷するのに1分くらいかかってしまうらしい。そのリズムはだんだんと僕の身体に入り込み、僕は慣れ、そして目を閉じた。思い出すのは、あの何もない、ただ白いだけの寂しい世界だ。
狂ってしまいそうになる、エタノールの臭い。エタノールという言葉は、最近覚えた。今まではずっと、病院の臭いだった。3人で、怒られるまで夜更かしして笑いあった、あの白い部屋。翔くんと剛士くんと僕の3人で、勝手に抜け出して先生に怒