名草のポテンシャル
名草というのは、栃木県足利市の北部に位置する地域で、
いわゆる里山です。今もシカの鳴き声が近くに聴こえます。
「どうして名草に住みたいと思ったの?」と尋ねられます。
直感的に「ここに住みたいっ!!」って思ったから。
でも、なんで? ぽかぁ~んとしてて、優しくて、受け入れてくれる感じ。住んでもいないのに北関東道をくぐると、「ただいま!!」って言いたくなる。名草だけ、時間の流れがすこしゆっくりになっている感じがする・・・
同じようなことを感じた場所が、もう1箇所。
長野県・美ヶ原高原の王ヶ頭から登山道を下ったところにあるキャンプ場。
もちろん、松本あたりから車で行くルートもあるけれど、私の位置情報の認識はそうなっている。3回目に訪れたのは5月の下旬。平地では半袖を着たくなる時季なのに、日陰のくぼ地には雪が残っている。でも、新緑でむせ返るような生命の躍動感と、ここでも大地に包まれるような優しさと時間の流れ方の違いを感じた。はじめの2回は、梅雨明けの直後の、大自然の醸し出す強い圧を感じる季節にそこを訪れていて、まったく違った印象にたいそう驚いた。お昼ご飯にごちそうになった、アカシアの花の天ぷらが今でも忘れられない。単純に美味しかった。でもその美味しさにもの凄くたくさんのことを考えさせられた。
「こういう暮らしの中で、子どもたちに多くのことを学んでもらいたい」「生きるために必要な力を身に付けて欲しい」・・・自然学校で子どもたちに学びを提供できるようになりたいと思ったのは、ここが発端。
「50歳で退職して、半自給自足の生活をしながら、子どもたちに自然の中で生きる力を身に付ける場を設けたい」漠然と、いつも頭の片隅にあった。
初めて名草を訪れた日は、その少し前から始めていた『早期退職した後の拠点探し』のことはすっかり頭の中から消えていました。同行した友人から「拠点にいいんじゃない?」と提案されるまで、これっぽっちも気づかなかったくらい。でもそのくらい興奮しながら、拠点にするという発想を飛び越えて「ここに住みたい!!」って思っちゃってた。本能的に嗅ぎ分けていたんでしょうね。
そんな感じだから、理由は後付け。でも、スルスルと理屈が繋がる。
足利市と言えば、日本最古の学校・足利学校がある。足利銘仙で栄えた街でもある。教育と織物。私の2大基軸としたいこの2つで知られる街。そして名草は自然豊かな里山。ちょっと視線を動かせば、私にとっては何をするにも素材の宝庫。これはもう、土地に呼ばれたとしか考えられない。そんなこんなで移住することを決めたわけですが・・・。
何度も名草に足を運び、地域を知っていく中で、あれれ?と思う事が・・・
『ぽかぁ~ん』としているように感じるのは、もしかして、眠っている?
御多分にもれず、過疎化・高齢化が進んでいます。観光地になって、週末は観光客でにぎわう・・・というのはちょっと違うのかなと感じています。でも、資源が有効活用されていないと思うのです。
昨今の大量消費社会、海外からの輸入が困難な状況、物価高、こういった
アタマの痛い状況に対して、ストレス軽減や楽しく工夫するネタが、名草にはたくさん転がっている。これは動くべきなのでは!? そう思うとうずうずしてくるのです。