シニアに必要な抗重力筋トレーニング
皆さんは「抗重力筋」という筋肉をご存じですか?
抗重力筋とは地球の重力に負けないように姿勢を維持する筋肉の事です。
名前の通り「重力」に「抗(あらが)う」筋肉です。
この抗重力筋が弱くなると重力に負けて正しい姿勢が維持できなくなり、猫背などの原因となります。
ちなみに「抗重力筋」という筋肉があるのではなく、抗重力筋に分類される筋肉の総称です。
抗重力筋の筋肉は大まかに言うと下肢の筋肉である大腿四頭筋・ハムストリングス(もも)、下腿三頭筋(ふくらはぎ)、脊柱起立筋・広背筋(背中)、腹直筋・腸腰筋(お腹)です。
どの筋肉もとても大切ですが、加齢により衰えていきますのでトレーニングが必要です。
抗重力筋を鍛えるトレーニングは色々とあります。
代表的なものが「スクワット」で、シニアの方や下半身の筋力がやや弱い方には「椅子からの立ち上がり運動」でも代用ができます。
他には「ヒールレイズ」というかかと上げ運動です。背伸びをするような感じでかかとを上げるのですが、この運動は下腿三頭筋を鍛える事ができますし、足のむくみ対策にもなります。
あとは「プランク」という両肘と両膝を床につけた状態でお尻を上げて頭~お尻までを床と並行の状態を維持するトレーニングがあります。
上記に3つ挙げましたが、その他に私が一番お勧めするトレーニングは「デッドリフト」です。
ジムのフリーウエイトでトレーニングをする方には誰でも知っている運動で、簡単に言うと「物を持ち上げる」動きです。
デッドリフトには下半身及びお尻の筋肉の強化をするだけでなく、脊柱起立筋や腹筋群など背骨を正しい状態にしていく筋肉が鍛えられ、猫背予防にも効果的です。
もちろんシニアの方がバーベルを持って鍛えるという訳にはいかないのですが、立位ができる方は立った状態でデッドリフトの動き(背筋を真っすぐ伸ばした状態でのお辞儀のような動き)を行ってみて下さい。
立位での運動が難しい方は、椅子に座ってのデッドリフトでも効果があります。
デッドリフトは正しい姿勢を維持するために必要な運動ですが、シニアの方だけでなく、私たち現役世代にも大切です。
姿勢の維持だけでなく物を持ち上げたり、「スーパーマーケットで買い物をした野菜などの入った袋を持ったまま歩く」という動きにもデッドリフトに使われる筋肉が必要となります。
年齢や性別を問わず日常生活の質(QOL)を上げるために、ぜひデッドリフトを取り入れてみて下さいね。