あるスタートアップの資金繰りの実態:どこにでもありふれた地獄1
会社をつくってから2年半が経ちました。
この2年半で2回の資金調達(ファイナンス)をして数百万を借り入れて、とにかく事業を成長させるぞとやってきました。色々つらいこともあるし毎日地獄なんですが、日々やれることを懸命にやってます。
そんな起業3年目の駆け出し経営者の僕が自社の資金繰りの実態について書いてみました。
資金繰りの実態
今うちの会社では3回目となる資金調達に動いています。これまで2回エクイティ(第三者割当増資)での資金調達を行ってますが、3回目ともなると調達額も大きくなり、精神的にもかなり負荷が高くなってきます。
例えば、A社の2ヶ月後の投資委員会にかけるため担当者とやりとりをしつつ、B社、C社、D社とも条件交渉や駆け引きをやっていき、同時に、うちの場合は調達資金の払込日までの期間に余裕がないために資金調達が完了するまでの期間会社を存続させるための「つなぎ融資」も金融機関と調整しています。
翌月には本当にキャッシュアウトしてしまうので、Dailyの資金繰り表を作成し、役員報酬や立替をしているお金の支払いフローをどうするか、何日にキャッシュアウトするかなど細かく管理しています。
財務を担当してくれている40代の社員が「外に支払うお金は止めることができませんが、社内なら調整ができます。役員報酬や立替精算の時期を延期して会社に現金を残しましょう。私の給与も後にしてもらって構いません」と言ってくれたのは、アドバイスの的確さとその気持ちのありがたさに本当に感謝しました。
結局、融資の方は断られてしまい(以前その機関から借り入れた際に提出していた計画と実績が乖離していたため厳しいということでした)、しかもよりにもよってこの土壇場のタイミングで一緒にやっている役員Aのミスで決済代行会社から資金が回収できないということが起きました。数日前の話です。
余談ですが、そのミスは完全に役員Aの落ち度ではありますが、前からのんびりしてる性格の人だったので起きるべくして起きてるということと、そういう性格を把握した上でしっかり確認していなかった自分の責任を感じてミスを責めることはしませんでした。
いつぞや読んだ本曰く「起きたことは全て事実であり現実」とのことなので、一瞬そのことが頭をよぎり、淡々と善後策を考えることにしました。
とにもかくにも、現金がないと本当にもうどうしようもないので、こうなるとサラ金から借りてくるということが現実的な選択肢の中に入ってきます。アコムなら30日間無利息だよね、みたいな話をその役員Aと財務担当としました。僕はかなりビビリな方なのでメンバーの前では普通の顔でそういう選択肢を口にしますが、精神的には正直かなり追い詰められます。
(まさか自分とは絶対に縁がないと思っていた消費者金融からお金を借りるって、、という気持ちです)
ただ、財務的な選択肢の洗い出しも事業の施策の洗い出しと一緒で考えれば色々とでてきます。
・身内や知人にお金を借りて役員報酬を止める
・知り合いの会社から借り入れる
・社内の備品を売る(大したものはないですが)
などです。
ここまで書いて思い出したんですが、この状況はまだ何も解決してません 笑
もう苦しいことが当たり前なので今の状況も特別感はありません。明日からもこの状況の中でやれることを一つずつやっていくだけです。
スタートアップが人の目に触れるのは、資金調達やサービスローンチでニュースメディアに載った時がほとんどなので華々しい世界のようにも見えるものですが、実態はどの会社もこんな感じなんじゃないかなと思います。
このどこにでもありふれた地獄のような状況を現在進行系でお届けしてみました。それではまた。
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