「好き」を言語化する技術 三宅香帆
毎日本を読む10/22
「好き」を言語化する技術
三宅香帆
「自分の言葉をつくる技術」
何かの比喩ではなく、「推し」を誰かに伝えるための技術本です。
はて、自分にも誰かに伝えたいほどの「推し」があったかどうかとしばらく考えながらページを進めていると、
思いついたのは、「美味しい店」をカフェのお客様にお伝えすること。
会社員時代から全国出張していた関係で、どの県でもオススメ店をGoogle mapsにマークしてあり、求められればその都度何軒かご紹介しています。
闇雲に並べるのではなく、お客様のパーソナリティに合わせてご紹介することが重要です。
食の好みは当然として、他にご興味のあることも絡め、営業時間や移動距離を考慮した、ツアーしやすいような順番にご提案します。
もちろん、途中の休憩に「行くべきその街の良喫茶」は欠かしません。
お伝えする時に気をつけているのが、まさに「自分の言葉で伝える」ことで、いわば「殺し文句」のようなヒトコト。
そこで唾液が「じゅじゅじゅわーー!」と出てきて、行かずにはいられないというキーワードを引き立たせるようにお話しするようにしています。
「引っ張られず、自分の表現をする難しさ」
自分たちが思っているより、私たちは周囲の人の影響を多大に受けています。
自分だけの言葉で好きを伝えると言う事は、なかなか難しいことのようです。
本書の中でも、先に他の人が書いたり話したりしたものを自分の中に取り込まないように、気をつけることが大切と書かれています。
どこかで聞いたよくある表現を、無難に書いてあるだけのものでは、自分の熱は伝えられないと言うことです。
全くその通りと思います
ビジネス書や教養等であれば、ここに相手目線が大きく関わってくるのですが、この本はオタクが推しにファンレターやメッセージを送るためにフォーカスされていて、「まず自分」ということが最優先のようです。
「伝える」のか「伝わる」のか
この差は結構大きい気がします。