「価格上昇」時代のマーケティング 小阪裕司
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「価格上昇」時代のマーケティング
小阪裕司
著者のいうところの「顧客消滅」時代と「価格上昇」時代に嫌が応にも対応していかざるを得ない。
それを意識できていなくても、なんとなくの限界を感じて、老舗店が市場からリタイアして行く。
現在はそんな過渡期にあるように思う。
先行き見えない感じから、「もういいかぁ」となっていって閉業している店が数多くある気がする。
それに拍車をかけたのがコロナ時期の補助金終了とインボイスによる課税に伴う業務の煩雑化だとおもう。
個人店や家族経営店にいまさらDXだの電子化だの、負担でしかない。
電子マネーによる地域通貨の時でさえ反発があったのに、この流れで生まれる新たな市場があるというのだろうか?
本書には価格を上げたことによっての成功例がたくさんちりばめられている。読んでいるとなんだかその気になってくるのは確かだ。
しかし、失敗例が書かれていないことも気になる。
実際には失敗した事例もたくさんあったと思う。
あとになって「なぜそれがうまくいったか?(いかなかったか?)」を書いてみたところであまり価値はない気がする。
ただ一つ言えることは「やってみなければわからないし、やらないことでうまく行くとも思えない」ということだろう。
大胆な変化で目指す、売り上げの飛躍的な増加と安定でしか
日本のこの先の波を乗り切って行くことはできないだろう。このままちまちまやっていたところで、たかがしれている。
最大限の努力に時間を費やすことしか、やるべぃことなんてない。
本書で最も注目すべきポイントは「マスタービジネス」という概念だろう。
著者の提唱する「すべてのビジネスは教育産業化する」ということから、顧客に対して何かを「啓蒙」または「指導」するような存在を目指すべきだというものだ。
ある種のサービスソリューション提供であり、ファンビジネスともいえる。
言い換えるなら「推し」のビジネス。
未来に向かって、デバイスやインフラが加速度的に高度IT化していくことは決まっていることで、それは個人単位での多様化の時代を意味している。
前日に見たテレビの感想を学校や職場で翌日にどうこう言い合う時代から、リアルタイムに個々が情報交換したりしなかったりしつつ、自分本位な価値観で発信したりしなかったりしていっている現在がある。
この流れはより加速しつつ、AIの活用と依存によってそれがどのように変化して行くのか、予測の難しいところだと思う。
とはいえ、何度も言うようだが、立ち止まっていても遅れをとるばかりである。
それこそAIを駆使しながら、大胆なマーケティング手法を編み出して、実行することを楽しもうではないか。
所詮あとわずかな時間なのだから。
なりたいように、やりたいように生きようではないか。
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