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ハチはなぜ大量死したのか ローワン・ジェイコブセン

毎日本を読む12/12
ハチはなぜ大量死したのか
ローワン・ジェイコブセン

人と人がそうであるように、人間と自然も頼りあう関係にある。
働きハチの大量失踪によって、あらゆる農作物が受粉できない

なぜこの本を手に取った??

原題:Fruitless Fall: The Collapse of the Honey Bee and the Coming Agricultural Crisis

実りのない秋:ミツバチの崩壊と迫りくる農業危機

『ハチはなぜ大量死したのか』では、ミツバチの大量死(コロニー崩壊症候群)の背後に、単一の原因ではなく、複数の要因が複雑にからみあった「複合的なストレス環境」があると推定されています。

ハチは人間の喜びの根底を支えている

蜂蜜・蜜蝋・作物。
セイヨウミツバチは蜂蜜で濃厚で甘い喜びを、蜜蝋であたたかな灯を、受粉の媒介者としてあらゆる作物の生産を担っている。
りんごもメロンもイネも・・・80%の作物はミツバチ君にかかっている!
なるほど確かに大問題!

主な推論原因

農薬(特にネオニコチノイド系)
農薬残留物が花粉や蜜に含まれ、ミツバチの神経系や帰巣能力に悪影響を及ぼし、巣に戻れなくなる蜂が増えることが指摘されています。

寄生虫・病原体(バロアダニなど)
バロアダニ(Varroa destructor)はミツバチに寄生し、体液を吸うだけでなく、ウイルス感染を媒介します。これによって蜂の免疫力が低下し、 colony全体が衰退しやすくなります。

栄養不足やモノカルチャー化
単一作物中心の農業形態(モノカルチャー)や自然環境の破壊により、ミツバチが必要とする多様な花粉源が減少。結果的に、栄養バランスが崩れ、蜂群の体力や繁殖力が低下。

長距離移動などによるストレス
大規模農園での受粉サービスのため、養蜂業者はミツバチを大量移動させます。この「トラック輸送」によるストレスや不自然な飼育環境が、蜂群を弱体化させる一因となっています。

しかし依然として不明

本書は2006年当時のものであり、その後が気になったので調べてみた。

どうやら急激なコロニー崩壊症候群、CCD:Colony Collapse Disorderは、話題となることは減っているものの、むしろ高い損失率が慢性化した状態であり、持続しているといえる。
養蜂業者の補填コストもかさむため、受粉請負業者のコストは上がり、結果作物の生産コストも上昇するだろう。
いまのところ、大規模な減産に至る作物が出てきている情報はないようだが、影響が出ていることは間違いない。

日本ではどうなんだろう?

試しに国内の情報を検索してみる。

『夏季に北日本水田地帯で発生が見られる巣箱周辺でのミツバチへい死の原因について』

これは国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構(NARO・農研)という
団体のプレスリリース。
CCDと区別して記載されているところがミソだ。
問題の複雑さを垣間見る。
農研図書館行ってみたい。

また、玉川大学は伝統的にミツバチ研究に強いらしい。ここにも行きたい。話聞きたい。
ミツバチ科学研究センター

僕の中で誰か蜂群崩壊症候群(CCD)のことを池上彰さんのように聞かせてくれる人に会いたい欲がムクムクと盛り上がってきました。

20年近く経過してなお、原因わからずなんて。
こんなに大事なことなのに。
クライシスなのに。

継続して個人的に調べていこうと思います。
農業面白い。


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