頭のよさとは何か 中野信子 和田秀樹
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頭のよさとは何か
中野信子 和田秀樹
「頭のよさとは知識ではなく態度だ」
重要なのは
「前頭葉機能の老化に抵抗し、クリエイティビティを維持すること」
中野先生は、目先の問題を解決するための「やり方」の暗記能力より、問題点を洗いだして、それを解決する方法を導きだす能力こそが本当の知性だと説いている。
EQが大事
知能とは知識の多さのみでは計れない。
「EQ」(Emotional Intelligence Quotient)は、心の知能指数と訳され、感情を上手に管理、コントロールする能力を指す。
和田先生は前頭葉機能(クリエイティビティ)と知能との関係、さらに感情の管理をできることが重要であるとおっしゃっている。
人間ならではの能力を磨く
本当の知性とは
知識は重要だが、知識を使う方法を知っていること。
みんなが気づいていないことに気付く力。
多面的に物事をとらえ、確からしい仮説を複数立てることができること。
インプットのみならず、実際の世界にアウトプットするという「実践」を行っていくために、自ら考え行動すること。
AでもBでもない答えのグレーゾーンを認識し、グレーのままでもいられることが、AIと人間との違いであり、自分で頭がよくなることを目指し、そのための行動をとり続けることも、忘れてはならない。
「知ることを求めようとする意欲」が大事
頭の良さも「自分が勝てそうな領域」を選んで伸ばすべき。日本人は社会システムなどから前例踏襲型に陥りやすく、前頭葉が退化していくことで「変化を恐れてしまうこと」が頭を悪くする。
そうすると、「面白くない老人」が出来上がる。
意図的にそれを阻んでいくことがとても大切で、
今は、新しいことへのチャレンジも、YoutubeやSNSなどから多くのHow To をゼロコストで得ることができる。実際にそれを行ってみて、新しい気づきや学びを得て次につなげ、前頭葉を刺激していくことができるだろう。
中野先生と和田先生という、豪華な組み合わせの本書。
対談形式なのでわりとサクサクと話が進んでいくわけですが、それにしてはとても理路整然としてまとまっている気がします。
普段から前頭葉を使って考えて、アウトプットし続けている人は、こういう会話になるんだろうなというのが印象に残った。
もくじ
はじめに 「知」は孤独なヒトのただ1つの武器 中野信子
序 章 本物の「頭のよさ」を考える
第1章 「ど根性勉強」は学歴の高いバカしか生まない
第2章 女性・若者が絶望する国・ニッポン
第3章 「知ること」は武器になる、「知らない」と騙される
第4章 知性とは、誰も知らないことを知ろうとする熱意である
第5章 愚かな知識人より、飢えた知恵者を目指せ
おわりに 日本人は前頭葉から「老化」する 和田秀樹