SuperAgers
80歳になっても、壮年期の記憶力や判断力を保持している人がいるそうです。
そう言う人を「スーパー・エイジャー」と呼ぶらしいですが、脳の MRI 検査をすると、「スーパー・エイジャー」は、通常、左脳が担当する言語記憶を、右脳でも分担して担っているとか。
しかし、それは先天的なものでは無く、年齢と共に獲得した能力だと言うのです。
「スーパー・エイジャー」と言う言葉の出元は、ニール・バルジライ&トニ・ロビーノ著「Super Agers 老化は治療できる」と言う本のようです。
冒頭の書き出しの抜粋によると「老化は確実に起こるものではなく、他の困難な症状と同じく、現象と考えられるようになってきた。つまり病気のように抑え、改善し、治しさえできるのだ。何十年にもわたる直接研究と、以前はバラバラだった研究者が集まって全国や世界規模になった共同プロジェクトのおかげで、ついにこう言えるようになった。もうおわかりのように、老化は終わったのだ」。
この本の趣旨は「老化は治療できる」と言う事ですが、「スーパー・エイジャー」とは、冒頭でも言ったように、高齢になっても、認知力や判断力の衰えない人を指します。
人間は、誰でも遅かれ早かれ、認知症になるようですが、ほとんどの人は、それまでに寿命が尽きるので、生きている間に認知症を発症するのは、全体の3分の1位だそうです。
しかし、「スーパー・エイジャー」は、80歳、90歳になっても、認知症にならない人で、その割合は、同年代の3分の1程度です。
但し、認知症を発症する3分の1と、スーパー・エイジャーになりうる人の3分の1と言う割合は、母数が違う事をお忘れなく。
さて、問題は、どうすれば「スーパー・エイジャー」に成れるか・・・と言う事ですが、端的に言えば、いくつになっても「脳を使い続ける」事です。
例え脳が萎縮しても、冒頭で言ったように、新たなネットワークが出来て、そのネットワークが、認知力や判断力を補完するのです。
そして、よく言われる事ですが「他者とのコミュニケーションを保ち続ける」事が、認知症を防ぐために良い方法のだそうです。
孤独や孤立した生活が、認知症を発症する大きな要因らしいです。
なぜかと言うと、「前帯状皮質(ぜんたいじょうひしつ)」と呼ばれる脳の部位が、「スーパー・エイジャー」に於いては、特に活発に働いているらしいのですが、この部位は、行動のモニタリングおよび行動調節に関わる領域、社会的認知に関わる領域、および情動に関わる領域に大きく分かれていて、他者とのコミュニケーションによって、この部分が活性化されるからなのだそうです。
そして、適度な運動と食事。
これは、昔から言われている事ですが、最近の研究でも、やはり、適度な運動や食事が、認知症になるのを遅らせてくれるようです。
食事に関しては、魚を多く食べる人の方が、長寿で、認知症にもなりにくいとか。
あと意外だったのが、90歳以上で認知症を発症してない人は、一日1〜2杯のワインやビール、コーヒーを飲んでいる割合が高かったそうです。
適度なアルコールは、脳を活性化するのでしょうか?
これらの結果には、しっかりとした科学的エビデンス(証拠・根拠)があるようなので、これからの生活に取り入れた方が良いかもしれません。
社会との繋がりを保ちつつ、適度な運動と食事を心掛け、新しい事にチャレンジして脳を刺激し続ける事が、「スーパー・エイジャー」への道のようです。
私の場合、「孤独な暮らし」がネックですが、せいぜい、民泊を利用してくれるゲストとの交流や、SNS などを通してのコミュニケーションを大切にしていきたいと思います。
まぁ、認知症になる前に、80歳くらいでポックリ逝くのが理想ですが・・・。