スター・シェイカー ネダバレあり感想
前々から気になっていた本でついに手に取った。
読んで良かった。
すごいいい本だった。面白い。
かなり興奮する内容だった。設定がとてもいい。中盤少しダレるが序盤と後半の流れはとてもリーダビリティーが高くどんどん読めた。
設定、ネタとしてはかなり面白かったが、展開としては三角。トータルでは面白かった。
テレポートが移動手段として当たり前になった世界の話。
アニメ等ではテレポートはよく攻撃の補助として使われるが、本作では、テレポートの際に起こる縮小と膨出の効果によって絶対的な攻撃となる。
まず消えた瞬間、真空域の発生による真空裂波。出現の際、そこにあった物質押し除けて破壊して出現する膨出。
かつて世界は、意思のままに自由に移動する古典テレポートによって座標被りによって膨殺(膨出による殺人)が多発した。
そのため現在では自由に行う古典テレポートは禁止され行われなくなって久しい。人々はワープ用ボックスに入って所定の位置に設置されたボックス間を移動するのみとなっていた。
そんな時、灰なる月という組織から逃げてナクサを拾う。その少女はペネトレーターと言い地球上の空間把握を宇宙から見た球体の地球として認識する能力を持っていた。
それを追って古典テレポートを習得した奥義者のポーンが迫ってくる辺りはかなりワクワクして面白かった。
奥義者のルークはその上を行き、自己認識の範囲を伸ばすことで地中の土を持ち上げ壁を作ったり、薄い真空の刃を作ったりしていた。
ルークとの戦いは後半があっけなく終わってしまい少し残念だった。もう少し描写を増やしてテレポーター同士の高度な戦いを見たかった。
その後のナイト、キングとの戦いも盛り上がりには欠けた。宇宙規模のテレポート合戦があっても面白かったのになぁ。しかし、キングの用意したナクサクローン爆弾は壮大で驚いた。
しかし、その後主人公がテレポートの間で通る異世界〈空〉に行く話で再び盛り上がった。
ラスボスであったキングを操っていたのが天馬教授であると言うのは微妙だった。いまいち凄みに欠ける人物だったので。
設定、テレポートの使い方がとても面白かったのでもっと面白いストーリーにできたのではと思った。惜しい作品。