読書感想文『医者の父が息子に綴る 人生の扉をひらく鍵』
名門聖光学院をご卒業されて鹿児島大を卒業され現役で外科医をやっておられる中山祐次郎先生の著作です。過去にも本を出版されておられるようですが、恥ずかしながら私は本書で初めて著作を拝見しました。
正直外科医が自書を出版される場合は、巨人の星、アタックNo1、父よあなたは強かったレベルの暑苦しい本になると勝手に勘違いして敬遠しておりました。『医学を選んだ君に問う』ほど説教臭くもならず、ノウハウを教えるだけのhow to 本のようにもならない絶妙のバランスが本書の良さだと思います。
ご自身の失敗も含めたエピソードも赤裸々に明示し自分の息子さんへの手紙という構成です。この手の本は死がカウントダウンする著者が残すことが多く、現在40代の外科医の著者が息子に残すのはまれなcaseかと思います。因みに下記も示唆が多い本です。
当然、ザ外科医として生きておられる著者の人生と、私のような常に人生の負荷を減らす方向に生きてきた人間とは生き方が大きく違うのですが、選択とは選んだ方を正解に捻じ曲げることという章は面白かったです。私は常に楽をすることを考え著者は自分の信念に従ったという大きな違いはありますが。
著者は研修を名門都立駒込病院でやっておられるようですが12-13人にる研修医の同期が一人亡くなっているですよ。これって凄い確率で第二次世界大戦でのアメリカ軍兵士の死亡率は2.5%程度ですので、平和な日本のハイパー病院で研修医をする方が第二次世界大戦でアメリカ軍兵士として従軍するよりも死ぬ確率が高いんです(統計的にめちゃくちゃな話をしています、すいません)。
第二次世界大戦の犠牲者 - Wikipedia
私の様な無能医もたまにはこういった熱いお医者さんの人生を読んで感謝するとともに、せめて人に迷惑をかけずに生きたいものです。
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