『into the wild』の感想。真理探求に必要なのは覚悟。
映画『into the wild』の感想です。
これは、僕の大好きなノンフィクション映画です。
あらすじ
アメリカの青年クリストファー・マッキャンドレスは、成績優秀で、裕福な家庭で育ち、何不自由ない生活を送っていました。
でも、そんな生活に嫌気が刺して、所有している財産を破棄の上、アラスカに旅立っていく。
道中で、ヒッピーや身寄りのない老人、歌うたいの少女に出会って、愛を知ります。
アラスカに到着したクリスは、打ち捨てられたバスを発見し、拠点にします。しかし、食糧に飢え、帰ろうにも雪解けで川が増水。そのままクリスはあっけなく死に絶える。そんなストーリーです。
感想
彼なりの真理は、クリスが残したこの言葉に帰結すると言われています。
幸せが何か。それを知るために、過酷な道を選んだ。大きな「決断」ですね。
スティーブ・ジョブズにも若い頃、あらゆる哲学、宗教に興味を持ち、インドに放浪して自分探しをしていた過去がありました。クリスも同様に、熱心に哲学を勉強していたんです。アラスカの旅は、これと似た行為な気がしますね。
ちなみに、仏教の教祖、ゴータマシッダールタもクリスと似た不自由のない境遇から、真理を求めて、旅に出ています。シッダールタも「悟り」を開いて、真理を発見しています。
自分なりの真理を見出すには、全てを投げ出す覚悟を必要とするのでしょう。
さて、クリスは財産を放棄してますが、これは、苦行の「断食」に似た行為だと思うわけです。自らを空っぽにして、あらゆる煩悩を受け入れる態勢をつくる。そこを旅の起点にするってことですね。
その状態で、逆境の落差のもと、ヒッピーたちに出会うことで、より深い愛を感じることができたんだと思います。
日本は、哲学や宗教に熱心じゃありませんし、単一民族です。一方、アメリカなんて移民の国ですから、民族が多様ですね。価値観も当然ばらつきがある。だからこそ、その中で、本当の幸せを追求する思想が芽生えるようにも思います。ヒッピー本場の国ですから。
だからこそ、対称的な日本は、若者がアラスカに旅立つような物語は素敵だと美化する傾向にあると思います。
この映画には賛否両論あります。クリスの生き方に反対もあるわけです。でも、僕も彼を素敵だと思う一人です。
既存の価値観からは何も生まれませんから、感度を高めるためには、逆境に身を置いて、パラダイムシフトを起こす必要がある。
そうやって、人生を豊かにしていくための手がかりを知り、次に繋げて行く。人生はこの連鎖だと思うんです。
そんなことを疑似体験させてくれる映画でした。
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