テレビの向こう側にいる人は、
どこか遠くの存在、特別の存在。
そんな風に感じてしまうことはよくあることです。
しかしながら、同じ人間であることには変わりなくて、
同じようにどこかに悩みを抱え、
それを乗り越えてきている訳です。
「「大発見」の思考法 iPS細胞vs素粒子」(2011)で対談されている
益川敏英と山中伸弥のお二方の言葉から、
どのように困難を乗り越えることができるか、
その生き方や考え方を学んでみたいと思います。
かつての勤務校で仕えた上司(校長)から、
事あるごとに「無駄なことを大切にしなさい」と言われました。
その頃は若かったので、漠然と「無駄なことも大切なのかな〜」
と思ったくらいでしたが、経験を重ねるにつれて、
一見すると無駄だったことが、つながることを実感しています。
全てをコスパ・タイパで判断してしまうと、
偶然の出会いを自ら遠ざけてしまう可能性があります。
それは、もったいないことだなと思います。
1割でも大したものということは、
9割以上は失敗の連続なんですよね。
でも、そこで「Etwas Neues」を見つけようと努力を積み重ねた人間が、
最終的に大きな仕事を成し遂げることができる。
そして、失敗を「面白い」と思えるメンタルも大切になってくるんでしょうね。
お二人の謙虚に物事を捉えようとする姿勢が垣間見えます。
若い頃は、少しの成功で、一人で色々とできる気になってしまいがち。
私も、そんな時期もありましたが、
やはり衆知を集め、力を合わせることで、
大きなことを成し遂げることができるのではないでしょうか。
紹介したどのフレーズも、
決して特別なことではありません。
でも、お二人は、そこに価値を見出し、
凡事徹底をされているからこそ、
ノーベル賞を受賞されるような大きなことを
成し遂げられたのだろうと思います。
そんな先人の考え方に触れて満足せず、
実践していきたい。そう思う今日この頃。