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汎用AI・BIを使いこなせるデータサイエンティストが人事部に所属したがらない実態【他部門よりも汎用AI・BIの活用が難しい根本的な理由】
1. はじめに
汎用AI・BIを使いこなせるデータサイエンティストは、多くの企業で引く手あまたの存在ですが、特に人事部にはなかなか所属したがらない現実があります。
これは、単に人事部のイメージが地味というだけでなく、他部門に比べて人事部で汎用AIやBIの活用が難しい特有の理由があるからです。
この記事では、その理由について詳しく解説していきます。
2. 面白さに欠ける人事部門
データサイエンティストは、面白い問題に取り組むことを重視する傾向があります。
例えば、マーケティング部門では日本中の1億2,000万人を対象にデータを分析し、消費者の行動や購買パターンを理解することができます。
これは顔の見えない大量のデータを扱うため、非常にエキサイティングです。
一方で、人事部は主に社内の従業員を対象にしており、対象となる人数も限られています。
顔が見える人に対してデータドリブンでアプローチするのは難しく、面白さに欠けると感じられがちです。
そのため、データサイエンティストの中には「もっと広い視野で、見えない人たちを相手にしたい」という声が出てきます。
3. 人事部のデータドリブンの限界
人事部はデータドリブンがやりにくい部門であるとも言えます。
マーケティングや営業部門のように社外の人々を対象とするデータ分析とは異なり、社内の従業員に対しての分析はどうしてもバイアスがかかりやすいのです。
従業員のパフォーマンスやモチベーションといったデータを客観的に扱うことが難しく、データサイエンティストにとっても挑戦しにくい領域と感じられます。
そのため、人材エージェントやヘッドハンティングなど、社外の人材も対象とする分野であれば、人事部門でもデータドリブンの仕事が楽しいと感じるかもしれません。
しかし、これも限られた企業にのみ当てはまる話です。
4. 優秀なデータサイエンティストが集まりにくい
人事部では、マーケティング部門や営業部門と比べて優秀なデータサイエンティストを集めにくい状況があります。
先述の通り、対象となるデータの面白さや広がりが限られているため、データサイエンティストにとって魅力的な職場とは感じにくいのです。
そのため、人事部では汎用AIやBIの活用が難しくなってしまいます。
さらに、データサイエンティストが集まらない結果、特化型AIやBIの導入が必要になるという現実も見えてきます。
特化型ツールは、専門知識がなくても使いやすく、データサイエンティストの力を借りずに分析を進めることが可能です。
5. 日本の人的資本経営における課題
人的資本経営の波が日本にも押し寄せている一方で、優秀なデータサイエンティストも特化型AIやBIもない人事部は、時代の波に乗り遅れてしまう恐れがあります。
アメリカの企業では、すでにデータドリブンの人的資本経営が進んでおり、専任のデータサイエンティストや専用のツールを活用しているのが一般的です。
日本企業が同様に人的資本経営を進めるには、データサイエンティストを引き付ける魅力的な業務を設計するか、特化型ツールの導入を急ぐ必要があります。
6. まとめ
汎用AI・BIを使いこなせるデータサイエンティストが人事部に所属したがらないのは、他部門に比べてデータドリブン経営が難しいからです。
マーケティング部門や人材エージェントのように、より広範なデータ対象を扱える部門の方が魅力的に映りやすい一方、人事部門では従業員という限られた対象を扱うため、データ分析のハードルが高くなります。
この状況を改善するためには、特化型AI・BIツールの導入や、人的資本経営に特化したコンサルタントの支援が必要です。